外国人にも労働基準法は適用される
外国人が日本で働く場合、原則、日本の労働基準法が適用されます。また、健康保険や年金についても、日本人と同じルールが適用されます。
現行の労働基準法では、1日8時間、週に40時間を超える労働は原則として認められていません。これは、国籍は関係なく適用されます。
しかし、これでは残業は一切認められないことになるため、労働基準法36条に基づいて、会社と労働者が協定を結びます。この協定によって残業が認められているのです。36協定(サブロクキョウテイ)と呼ばれるものです。
この36協定に基づく残業であっても、無制限に残業が認められるわけではありません。1ヶ月に許される残業時間の上限は45時間。年間では360時間が上限となっています。
ですから、時間外手当を法令に基づき支払ってしても、上記の制限を超えた残業は違法行為になる可能性があります。従業員から訴えられたり、労働基準監督署に相談されたら、結構大変なことになりますから注意してください。
既に就労ビザを持っている外国人を採用する時の手続き
外国人が今持っている就労ビザは、就労ビザを申請した時の所属会社(前社)で働いてもよいというビザです。ですから、就労ビザを持っている外国人を採用する場合は、まず、出入国在留管理局で「所属機関の変更届」を提出する必要があります。
技術・人文知識・国際業務ビザを持っている場合
前社と職務内容や会社の業績・規模がほとんど同じであれば、そのまま更新時まで勤務しても更新できる可能性が高いです。
もし、前社と職務内容や会社の業績・規模が異なる場合、更新が難しい場合があります。こうした場合は、正式採用前に、「就労資格証明書」を取得しておくとよいです。労資格証明書があれば、入国管理局がその会社での勤務を認めているという証明になりますので、この証明書があれば次のビザ更 新の際も手続きがスムーズにいきます。就労資格証明書の取得手続きの難易度は、新規の就労ビザ申請とほぼ同じです。
企業内転勤ビザを持っている場合
企業内転勤ビザとは、海外にある子会社、関連会社等から転勤してくる外国人のための就労ビザです。例えば、海外に本社Aがあり、東京支社Bと名古屋支社Cがあったとします。この場合、BからCへの転職(異動)することは可能です。
しかし、全く関係のない会社に転職して働くことはできません。この場合は、在留資格変更手続き(企業内転勤ビザ→技人国ビザ等)が必要です。
※技人国ビザとは、技術・人文知識・国際業務ビザのことです。