専門行政書士が解説!留学生のアルバイトに関するよくある誤解

留学生がアルバイトする際、資格外活動という許可を取る必要があります。この資格外活動について、留学生によっては、誤解して理解していたり、自分に都合よく理解したりしている場合があります。本稿では、留学生を雇う側がコンプライアンスを守るために知っておくべきことをまとめました。

資格外活動とは?

日本に住む外国人は何らかの在留資格を持っており、それぞれ法律で認められている活動があります。留学生にとって法律で認められた活動とは、学校に行き勉強することです。ですから、原則、留学生のアルバイトは禁止されています。それを特別認めてもらう手続きを、資格外活動許可申請といいます。資格外活動許可申請が必要となるのは、主に留学生、家族滞在ビザの外国人です。

資格外活動違反よくあるケース

資格外活動が問題になる典型例を紹介します。例えば、留学生がコンビニ、飲食店等でアルバイトをしている場合です。コンビニや飲食店は常に人手不足なので、就労時間が週28時間を超えてしまうことが多々あります。繁忙期は特にそうです。店長も違反であることを知っている事が多いですが、どうしても人手が足りず、苦渋の決断でさせてしまうことも散見しています。また、個人経営で給料を経営者のポケットマネーから出しているなど、現金支給で台帳をつけていない場合など、表面化していない資格外活動違反も少なくないと思われます。

資格外活動についてのよくある誤解

次に、資格外活動許可のよくある誤解を4つ解説します。

1つ目は、資格外活動の時間計算の起算日です。月曜日から起算すればよいとか、月に4週あるのだから、その平均でよいとか、いろいろな解釈がされているようですが、いずれも間違っています。正解は、週のどこから計算しても、週に28時間以内になるようにすることです。

2つ目の答えは、留学生が持っている在留カードの裏面を見れば分かります。留学生が資格外活動許可を受けた場合、在留カードの裏面に許可を証明するスタンプが押されます(図参照)。そのスタンプには、許可された活動内容として「週28時間以内の収入を伴う事業又は報酬を受ける活動(風俗営業等の従事を除く)」という文言が書かれています。この「等」とう文言に、ガールズバーやボーイズバーが含まれます。

3つ目も誤解されやすいのですが、パチンコ店や雀荘でのアルバイトは、店員だけでなく、掃除やチラシ配りのみをすることも違法となります。注意してください。

4つ目についても、最近よく見られるようになってきました。多くの留学生は、資格外活動許可の包括許可を持っています。つまり、週28時間以内のアルバイトであればOKですよという「包括許可」です。包括許可の場合、アルバイト先の届出までは不要です。しかし、完全出来高制や歩合制の場合、アルバイト時間の管理が難しいため、包括許可ではなく、「個別許可」が必要となります。個別許可の手続きはそれほど難しくありません。最寄の出入国在留管理局で手続きすれば2週間程度で許可されます。

 資格外活動違反はなぜ見つかるのか?

留学生が、進学や就職のために、在留資格更新申請や在留資格変更申請をした際、資格外活動を行っているのではないかという疑義を持たれることがあります。この場合、出入国在留管理局から追加書類を求められることがあります。具体的には図のような書類を求められます。それぞれ、簡単に説明します。

●直近年度の課税証明書(所得課税証明書)

書類上のアルバイトの収入が記載されます。東京都の場合、だいたい年収で220万をこえると資格外活動違反をしているのでは、という疑義をもたれやすいです。

●預金通帳のコピー(全ページ)

これは、給与の振り込みの明細を調べる為に提出を求められます。

●給与明細書のコピー

給与明細書の場合、直近1年分を求められる場合と、来日以降全てを求められる場合の2パターンがあります。後者の場合は、疑義というよりも出入国在留管理局側が資格外活動違反を確信していると考えていいと思います。

●アルバイトの履歴を記入するシート

これは自己申告で書く書類です。書く内容は申請先の地方出入国在留管理局によって異なりますが、東京の場合はアルバイト先の店名、週労働時間、時給、勤務開始日、退職日等を各書類が渡されます。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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