このビザでは、外国人の在留資格のひとつである研修ビザについて、ポイントを解説しています。技能実習ビザと混同されることも多いですが、技能実習ビザとは全く異なるビザですので、注意してください。
研修ビザでは、非実務作業のみ行える
研修ビザとは、外国人に日本で技能や知識を学んでもらうことを目的としたビザです。
つまり、日本で働くことを目的としたビザではありません。
ですから、研修ビザは、実務作業を伴わない研修活動(非実務研修)に対して許可されます。
実務活動を伴わないような研修活動とは、具体的に下記のような活動のことです。
- 座学での研修
- 研修専用の施設内での研修
- 製造現場等の見学
実際の工場の製造ラインに入ったり、接客を行うような現場で働くことはできません。
また、原則として、給与や報酬も支給できません。
支給できるものは、渡航費、食費、宿泊費の実費、研修、
研修ビザに関するよくある質問
研修ビザについて、よくある質問をまとめました。
研修ビザは技能実習ビザや短期ビザとは違うのですか?
まず、実務活動と報酬の有無が違います。
- 実務活動と報酬あり(OJT) → 技能実習ビザ
- 実務活動と報酬なし(OffJTに近い) → 研修ビザ、短期滞在ビザ
短期滞在ビザでも、座学研修を行うことができます。
しかし、最長で90日となります。
また、短期滞在ビザの場合、日本で申請することができない(相手国の日本領事館に申請)ため、国によっては、短期滞在ビザよりも研修ビザのほうが取りやすい場合もあります。
研修期間が90日以内であり、短期滞在ビザか研修ビザのどちらにするか迷われる場合、当事務所までお問い合わせください。貴社の状況や研修目的によって、どちらがよいのかご案内させていただきます。
研修ビザ | 技能実習ビザ | 短期滞在ビザ | インターンビザ(特定活動9号) | |
日本滞在期間 | 通常6カ月~1年 | 3~5年 | 90日以内 | 通常3カ月~1年 |
実務活動 | × | 〇 | × | × |
報酬 | × | 〇 | × | × |
対象者 | 現地法人の社員等 | 技能実習生 | 現地法人の社員等 | 海外大学の大学生 |
研修ビザの期間はどれくらいが妥当ですか?
研修目的や研修カリキュラムにもよりますが、実際に申請して許可になることが多いケースとしては、6カ月~1年となっています。
ただし、長期間の研修であっても、研修の目的や必要性に関して合理的な説明ができるようであれば、長期の研修も可能です。
同じ人を複数回、研修ビザで呼ぶことは可能ですか?
研修ビザで同じ人を何度かよぶことは可能です。ただし、その理由や必要性を合理的に説明する必要があります。
実際の申請では、こうした理由や必要性を書面で説明し、根拠書類も提出することになります。
この他、研修ビザの仕組みや要件は非常に複雑です。細かい条件のひとつひとつを完璧にクリアしないと許可にならないビザです。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一