配偶者ビザ、永住者ビザ、定住者ビザの外国人を雇う時の3つの注意点

現在、日本国内には、就労制限のない身分系ビザを持つ外国人が150万人以上住んでいます。この数は、外国人全体の過半数を占め、労働力という観点からも無視できない数字です。本ページでは、身分系ビザを持つ外国人を雇用する時のポイントについて紹介します。

身分系ビザとは

身分系ビザとは、次の4つの在留資格の事を指します。

  • 日本人の配偶者等
  • 定住者
  • 永住者
  • 永住者の配偶者等

です。

この4つのビザをもつ外国人は、就労制限がありません。なので、日本人と同じように採用することが可能です。つまり、仕事内容や就労時間を気にすることはありません。

それぞれの在留資格について、簡単に説明しますね。

日本人の配偶者等ビザ

まず、日本人の配偶者等ですが、これは日本人と結婚している人、もしくは日本人の実子です。実子には特別養子も含まれます。日本人と結婚していて日本で暮らしている外国人は、このビザを持っていることが多いです。

ただ、稀に、日本人と結婚していても、就労ビザのままという外国人もいます。例えば、3年や5年有効の在留資格を持っている外国人です。彼らが日本人の配偶者等に在留資格変更すると、在留期限が1年に戻ってしまう可能性が高いからです。また、高度専門職の在留資格を持つ外国人も、日本人の配偶者等に変更しない方が良いでしょう。1年の在留資格のままだと、永住申請や帰化申請が出来ませんので、3年の在留資格を持っている場合はあえて在留資格変更をしないというケースも良くあります。

ですから、日本人と結婚しているからと言って、日本人の配偶者等ビザを持っているはずだと安易に決めつけない方がよいですね。

定住者ビザ

次に、定住者は告示定住と告示外定住があります。そして、告示定住は、告示1号から5号まであります。ややこしいですね。

告示の具体的な内容については、入国管理局が公表しています。告示外定住は、明確な要件は提示されていないので、これまでの在留状況や生計能力、日本への定着性が総合的に判断され、最終的には審査官の裁量で許可されます。

告示定住の例としては、日系3世、4世、外国人配偶者側の未成年の連れ子です。一方、告示外定住ビザが許可されやすいケースとしては、日本人配偶者との死別、それから、長期間婚姻生活を経た後の離別などのケースです。

永住者ビザ

永住者はその名のとおり、永住者の在留資格を持っている外国人です。永住者の要件は、たくさんありますが、日本に10年以上住んでいる外国人は永住者ビザを取得できる可能性があります。

永住者の配偶者等ビザ

最後に、永住者の配偶者等について説明します。永住者の配偶者等に該当するケースは、永住者と結婚している外国人及び永住者の実子(日本で生まれた実子に限る)です。永住者の実子であっても、海外で生まれた場合は定住者です。ただしいずれも、出生から30日以内に入国管理局に届け出る必要があります。31日ではなく30日です。1日でも遅れてしまうと、本来とれるべきビザがとれない場合もあります。

在留期間に注意する

永住者以外の在留資格には、必ず在留期間があります。通常在留期間は1年、3年、5年のいずれかになります。在留期間が満了する前には必ず更新もしくは在留資格変更の手続きをとる必要があります。

この手続きは、在留期限の3か月前からすることが出来ます。母国に里帰りして出産したい場合など、特段の理由がある場合は、3か月より前に更新手続きを行うことも出来ます。ただし、オンライン申請は出来ませんので、必ず出入国在留管理局の窓口で理由を話して相談してください。

在留資格を更新できるのか?

通常、婚姻状況等に変動がなければ、在留資格の更新はスムーズに審査されます。地方出入国在留管理局では、翌日には結果が出ていることもある様です。一番審査期間が長いとされている、東京出入国在留管理局であっても、1カ月強あれば更新手続きは完了します。

しかし、在留資格の更新が難しいケースもあります。婚姻の実態に疑義が持たれているケース、そして、扶養者の仕事内容が変わっている場合などです。

日本人の配偶者等、永住者の配偶者等 の在留資格を持つ人については、念のためですが、配偶者と同居しているのかも確認してください。聞き方には注意や配慮が必要ですが、もし同居していておらず、婚姻が事実上破綻しているのであれば、在留資格取消の対象になる場合もあります。こういう状態の人を雇い続けていると、不法就労助長罪に該当します。過去には、そのような状態の外国人を複数人雇っていた経営者が逮捕された事例も出ています。

扶養家族の有無と数

雇っている外国人が扶養者であるか、被扶養者であるかによって、注意点は異なります。

まず扶養者である場合、扶養家族が何人いるのか確認してください。確認する理由は、今後の永住申請に扶養人数が関係してくるからです。簡単に言うと、扶養人数が増えれば増えるほど永住許可される為の基準年収が増えていきます。多くの外国人は、こうした扶養家族の意味や永住申請との関係について正確な知識を持っていませんので、雇用者側でサポートしてあげると良いかもしれません。会社にとっても、外国人社員が永住者ビザを取得すればメリットは大きいです。

一方、外国人が被扶養者である場合「130万円の壁」に注意してください。日本人社員の場合、多少超えていても次から注意してくださいね、で済むことが多いのですが、外国人社員の場合、130万円の壁を越えているとその人の永住申請は許可されません。当該外国人だけでなく、その配偶者の永住申請さえも、不許可になってしまいます。とても厳しいルールだと思いますが、現行の永住審査の運用ではこのように厳しく審査されています。

 

 

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この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

 

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