行政書士が解説!今、監理団体になるメリットと懸念点

2027年6月までに順次施行される入管法改正により、技能実習生の監理を行う監理団体の制度や運用方法が変更になります。こうした状況の中、監理団体の事業譲渡(引継)も活発になってきました。本稿では、監理団体の設立や運営について、ポイントを解説します。

監理団体とは

監理団体を一言で説明すると、日本に約40万人いる外国人技能実習生の募集から受入、雇用管理までを行う非営利団体のことです。また、実習生を受け入れる企業へのサポートも行います。

監理団体になるためには幾つか方法がありますが、大きく分けると、新規で事業協同組合を設立して監理団体の許可を受けるか、すでに許可を持っている監理団体を引き継ぐ(事業譲渡)方法があります。後者の場合、実質的には「M&A」なのですが、監理団体という事業の特性上、手続き上は役員変更等をしたうえで事業を引き継ぐ形となります。

また、監理団体には、一般監理団体と特定管理団体があります。一般監理団体は優良な監理団体であり、第1号~第3号までの技能実習生の監理が可能です。方、特定監理団体は、第1号と第2号の技能実習生の監理のみとなります。(第1号は1年目の技能実習生、第2号は2~3年目の実習生、第3号は4~5年目の実習生)。受入企業から歓迎されるのは、経験のある第3号実習生ですので、一般監理団体になるメリットは大きいといえます。

監理団体になるための要件

監理団体になるためには、主務大臣から許可を得る必要があります。許可を得るための主な要件は下記となります。

・営利を目的としない法人であること(事業協同組合、公益社団法人など)

・事業を適正に行う能力を持っていること

・監理事業を健全に遂行できる財産的基礎を持っていること

・個人情報を適正に管理するための措置を講じていること

・外部役員または外部監査の措置を実施していること

有識者会議で検討されていること

現在、法務省や厚生労働省では、特定技能制度及び育成就労制度の円滑な施行及び運用に向けた有識者会議が定期的に開催されています。この原稿執筆時点(2025年3月)で公表されているその議事録の中から、監理団体に関係するものを幾つか紹介します。

現状の課題として、監理団体の数(約3000社)が多すぎるという意見が出ています。また、稼働していない(休眠中)の監理団体や、技能実習の受入先が1社しかない監理団体があり、監理団体としての本来目的を果たしていないという指摘もあります。これに対する改善案として、監理団体を許可制にして、審査をかなり厳しくし、技能実習受入先が1社もしくはグループ企業のみの場合、許可を取り消すということも検討されています。そうなったら、既存の監理団体がかなり淘汰されるのではないかと思います。

監理団体の主な仕事

監理団体は、技能実習生と受入企業のサポートを行います。では、具体的にどんな仕事があるのか、簡単に説明します。

監理団体は、受入企業、技能実習生、送出機関、出入国在留管理局とのやり取りがあります。まず、受入企業に対しては、技能実習生の受入に関する提案(法人営業)、在留資格申請に必要な書類収集、入国時および入国後の各種サポートが必要となります。特に、初めて技能実習生を受け入れる企業の場合、技能実習生に関するほぼ全ての手続きを監理団体がサポートすることになるでしょう。また、企業によっては、現地視察のアテンドも必要になることがあります。

技能実習生に対しては、入国前のガイダンス、入国後の日本語研修(外注も可)、そして相談対応が主たる仕事となります。

そして、送出機関に対しては、技能実習生の募集依頼、現地説明会の資料作成、候補者からの質問対応などの仕事があります。

監理団体の損益分岐点の目安

監理団体の主な収益(売上)は、受入企業から支払われる初期費用と毎月支払われる管理費です。初期費用は、入国前研修、在留資格申請、渡航費、技能実習生総合保険、受入準備費などからなりますが、監理団体の収益となるのは、10~20万円の場合が多いです。そして、管理費の相場は、1人あたり月3万円です。年間にすると36万円となります。ですから、技能実習生が10人いれば360万円、100人いれば3600万円の管理費が入金されます。

一方、主な経費は、事務所家賃、人件費、交通費、そして交際費です。この経費については、監理団体によって大きく違います。私は、行政書士として監理団体の事業譲渡のサポートもしているため、監理団体の決算書を見る機会があるのですが、ぎりぎりの予算で運営されている場合もありますし、その逆もあります。

この点は、会社経営と同じだと思いますが、監理団体の要件を維持するために必要な経費もあります。例えば、独立した事務所です。監理する実習生の数が減少したとしても、事務所をなくすことはできません。また、監理団体と実習先が地理的に離れている場合、交通費が相当かかります。遠いからといって、定期監査をオンライン対応したり、省略したりするわけにはいかないからです。

こうした点を鑑み、ざっくりした目安としては、技能実習生が10人から20人以上いれば、損益分岐点は超えるのではないかと思われます。

既存の監理団体の引継や事業譲渡を希望される企業様へ

当事務所では、監理団体の事業譲渡をサポートしております。年間を通して、事業譲渡希望の案件がありますので、既存の監理団体の事業譲渡を検討されている場合、メールにてお問い合わせください。

 

 

 

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