技能実習生(育成就労)受入の流れと、失敗やトラブルを防ぐポイント

「技能実習生を受け入れたいが、何から始めればいいのかわからない」
「監理団体に任せれば大丈夫だと思っている」

実はこの段階でご相談に来られる企業の多くが、
👉 不許可・トラブル寸前の状態です。

技能実習制度は「流れ」自体はシンプルですが、
👉 実務の設計を間違えると失敗しやすい制度です。

この記事では、単なる流れだけでなく
👉 実際にあった失敗事例と回避方法まで解説します。

外国人技能実習生(育成就労)を雇用する流れ

まずは、全体像を抑えましょう。

外国人技能実習生(育成就労)を、日本に呼び寄せて雇用する場合、以下のような流れとなります。

以下、1項目ずつ、ポイントを紹介していきますね。

1.受入可能かどうかの確認、受入方針の決定

技能実習生(育成就労)を採用しようと思ったとき、まず、自社で受入可能かどうか確認しましょう。

技能実習生(育成就労)の受入に関する大きな要件は下記の3つです。

  • 技能実習(育成就労)の対象業種であるか?
  • 直近5年以内に労働法や入管法に関する法令違反、行政処分がないか?
  • 技能実習生の指導体制を整備できるか?

その他、細かい要件もありますが、この3つをクリアしていれば、だいたいOKの場合が多いですね。

正確にリーガルチェックをするためには、ビザ申請を専門とする行政書士等に依頼することをお勧めします。

そして、受入方針についてですが、最低限、下記を決めておきましょう。人数や国籍に関しては、監理団体の話を聞いてからでも構いませんが、自社である程度の方向性は決めておいたほうがよいです。また、地域や業種によっては、向いている国というのがありますので、そのあたりも考慮しましょう。

  • 配属部署
  • 受入人数
  • 技能実習生の国籍
  • 技能実習期間(3年)終了後の方針(帰国させる/特定技能へのステップアップなど)

2.監理団体(監理支援機関)の選定・契約

技能実習生(育成就労)を受け入れるためには、原則、監理団体(監理支援機関)を通す必要があります。

現在、監理団体は、全国で約3000社あります。その多くは、事業協同組合という法人組織です。

約3000もの監理団体の中から、自社にあった監理団体を選ぶのは、結構大変です。

監理団体によって、得意とする国、業種、地域が異なります。また、その運営方針やコンプライアンスに対する考え方も玉石混交です。

たとえば、監理団体との打合せの際、以下のような質問をしてみてください。その回答によって、監理団体を選定する際の判断材料になるかもしれません。その場で明確な回答を得られる場合、あいまいに濁される場合など、対応は様々です。

  • 一般監理団体か特定監理団体、どちらですか?(簡単にいうと、一般のほうが優良監理団体)
  • 対象国、対象業種は?
  • 対象国、対象業種での受入数、受入年数
  • これまでの失踪者の数、失踪原因
  • 監査みたいなものがあると聞いたのですが、具体的にどういったものですか?
  • 受入会社がやること一覧のようなものはありますか?
  • 万が一、受け入れた実習生の勤務態度が非常に悪く、解雇したい場合は、解雇できますか?
  • 受入費用や受入に伴う実費はどれくらいかかりますか?

3.現地送出機関との連携・募集

現地送出機関は、海外現地で人材募集や日本語教育などを行う会社のことです。東京ドームくらいの敷地内に全寮制のトレーニングセンターを持つ送出機関もあれば、雑居ビルの一室で運営している送出機関もあります。

私は、中国、ベトナム、ミャンマーの送出機関を訪問したことがあるのですが、その規模や運営体制の違いにかなり驚きました。ちなみに、雑居ビルの一室で運営していた送出機関のホームページはとても立派でした。ホームページには、広大な敷地、先進的な建物が載っていたのですが、それらは全て提携会社の画像であったということもありました。

ですから、送出機関についても、監理団体に完全お任せするのではなく、できれば自社でもある程度調べておくことをお勧めします。

4.技能実習計画の作成・認定

技能実習生の受入が決まったら、監理団体と一緒に、技能実習計画を作成します。

そして、技能実習機構という役所に申請し、認定をもらいます。

5.在留資格認定証明書交付申請(技能実習ビザ申請)

出入国在留管理局という役所に申請します。

通常、1~2ヶ月程度で交付されますが、はじめて技能実習ビザを申請する場合、2~3ヶ月以上かかることが多いです。

6.ビザ(査証)取得、来日

本国の日本領事館もしくは領事館指定機関(現地の旅行会社等)にて査証申請を行います。

通常、現地送出機関がサポート(代行)してくれます。

長くても2週間程度の形式的な審査となります。

7.入国後講習

技能実習生の場合、入国後すぐ働くことはできません。法律で定められた入国後講習を受ける必要があります。

通常、入国後講習を実施する専門会社に委託することが多いですね。全寮制で約1ヶ月講習を受けます。

入国後講習の内容は主に下記の3つです。

  • 日本語
  • 法律(労働法など)
  • 生活ルール

また、この間に、必要に応じて、住居や家具、ネット環境を手配します。

海外から日本に来る場合、ネット環境は必須です。家具よりも重要です。

ネット回線開通に時間がかかる場合、ポケットWIFI等を用意してあげると、本人は安心します。

8.配属・技能実習スタート

ここから現場での技能実習がスタートします。

1年目は、技能実習1号ビザです。

9.定期監査・報告

監理団体が定期的に実習先を訪問します。そして、その内容を報告書にして、技能実習機構に提出します。

通常、1回の訪問で1~2時間の監査があります。

ただ、監理団体によっては、10分で終わることもあるようです。監査が10分で終わるのは一見良いことのように見えますが、出入国在留管理局からの実態調査で不正等が発覚した場合、相応のペナルティを受けます。

10.在留期間更新、移行

技能実習1年目に技能検定試験に合格することにより、技能実習2号ビザへ移行できます。

技能検定に不合格だと1年で帰国ですが、現実的にはよほどのことがない限り、合格します。

そして、技能実習期間(3年)が終了すれば、特定技能ビザへのステップアップの道もあります。

技能実習の現場で起こっている問題

技能実習の現場では以下の問題が頻発しています。

  • 面接後に辞退される
  • 技能実習計画が通らない
  • 入国後すぐ離職
  • 入国後、失踪
  • 技能実習機構、労働局等からの指導、行政処分

問題が起こる原因は何か?

こうした問題が起きる原因はある程度、はっきりしています。

原因①:監理団体任せ

技能実習生の受入、雇用管理については、全て監理団体に任せていれば大丈夫と考えている企業様が多いです。監理団体の営業担当者も、「全てお任せください」といったニュアンスで話されることも多いようです。

しかし実際は、受入企業側の責任やリスクは非常に大きいです。

原因②:人手不足なので安易に採用

乱暴な言い方をすると、対象業種の企業で法令違反がなければ、お金さえ払えば、受け入れることができます。

たとえば、来年10人ほしい場合、その要望を監理団体に伝えれば、大抵10人確保してくれます。

監理団体によっては、1週間ほどで、20~30名の候補者を探し、面接(オンライン面接等)まで実施してくれる場合もあります。

しかし、技能実習を受け入れると、責任とリスクを伴います。

その責任とリスクをきちんと説明してくれる監理団体を選ぶことが非常に重要です。

技能実習(育成就労)受入に関するご相談

ここまでお読みいただきありがとうございます。

もし、下記のような状況でしたら、事前に一度ご相談ください。

  • 初めて技能実習生を受け入れる
  • 過去にトラブル・不許可があった
  • 監理団体選びで迷っている
  • 確実に許可を取りたい

初回のご相談では、

👉 受入れが可能かどうか
👉 リスクがあるポイント
👉 適切な進め方

を具体的にお伝えします。

監理団体選定時の確認事項チェックリストも用意しております。

貴社の状況に合わせて、貴社仕様のチェックリストを作成し、お渡しすることが可能です。

また、貴社の状況によっては、技能実習ではなく他の方法(特定技能やインターン等)のほうがよい場合もございますので、そのあたりの情報も適宜紹介させていただきます。


この記事を作成した人 行政書士 濵川恭一

 

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