
外国人雇用のコンプライアンスを守るためのチェックリスト
政府が発表している統計資料によると、日本で不法に就労する外国人の数は、年間1万人以上います。そして、不法就労助長罪で検挙されている数は、年間で400件程度あります。意外と少ないと思われるかもしれませんが、毎日、日本のどこかで、誰かが検挙されています。気をつけてニュースを見ていると、何かしら不法就労関係で日本人社長や人材会社の幹部社員、弁護士、行政書士等が検挙されていることが分かります。
こうした状況の中、コンプライアンス強化を重視する企業が増えてきましたね。当事務所にも、外国人雇用に関するコンプライアンスを全社的にチェックしてほしいというご依頼が増えています。
この記事では、外国人雇用のコンプライアンスを守るために、企業側で最低限チェックすることをまとめています。業種や職種によって、細かい点でチェックすることは異なるのですが、貴社の参考になれば幸甚です。
全ての外国人に共通する留意点
雇用する外国人の在留資格は適正か?
在留カードを持っているか、その在留カードが偽造ではないか、在留期限が切れた外国人を雇用いていないか?などをチェックしてください。
※在留期限は、本人が常に携帯している在留カードに記載されています。
現在、約30の在留資格があるのですが、それぞれ、行ってよい仕事、禁止されている仕事があります。業種や職種によって、細かいルールがあるので、ここで全て説明することは難しいのですが、ポイントは下記となります。
| 在留資格 | 認められている仕事内容例 | 禁止されている仕事内容例 |
| 日本人の配偶者等 永住者 永住者の配偶者 定住者 |
日本人と同じ(日本人が従事できる仕事であれば原則OK) | |
| 技術・人文知識・国際業務 | 一定レベルの専門知識を要する仕事(営業、企画、調査、マーケティング、通訳翻訳、設計、ソフト開発等、機械の保守保全等) | 専門知識を要しない仕事(反復継続する仕事、工場での単純作業等) |
| 企業内転勤 | 一定レベルの専門知識を要する仕事(営業、企画、調査、マーケティング、通訳翻訳、設計、ソフト開発等、機械の保守保全等) | 専門知識を要しない仕事(反復継続する仕事、工場での単純作業等) |
| 特定活動 | パスポートに貼付されている指定書に具体的に書いてあります。 | 左記以外 |
| 特定技能 | 特定技能在留資格申請時に記載した内容 | 左記以外 |
| 留学(資格外活動でのアルバイト) | 風俗営業等以外であれば日本人と同じ | |
| 家族滞在(資格外活動でのアルバイト) | 風俗営業等以外であれば日本人と同じ |
外国人の給与は適正か?
外国人の給与は、同じ仕事をする日本人と同等以上であることが必要です。
つまり、外国人だからという理由だけで給与を低くすることはできません。
ただし、同じ仕事をしていても、その熟練度や経験年数が異なれば、給与額が違っても問題ありません。
日本人同士でも、勤続10年の社員と新入社員の給料が違うのと同じことですね。
また、都道府県ごとに設定されている最低賃金を守ることも重要です。
※最低賃金は毎年10月1日に改定されます。そして、近年はこの増加額が大きくなっています。現行の最低賃金を守るようにしましょう。
被扶養者の外国人を雇用する場合の留意点
日本人と結婚している外国人、永住者と結婚している外国人などを雇用する場合、扶養の範囲内かどうかもチェックしてください。
この点は、日本人と同じなのですが、なぜか外国人の場合、このチェックが漏れていることが多いようです。
被扶養者の外国人を雇用しており、その人の年収が130万円をこえた場合は、3号被保険者から外すことが必要です。
外国人の場合、この確認を怠りがちです。ですが、健康保険や年金については、日本人も外国人も同じルールとなっています。
このチェックを怠った場合、企業側だけでなく、本人達もデメリットがあります。
例えば、貴社に家族滞在のビザでパートタイム勤務するベトナム人女性がいたとします。その方の年収が130万円を超えている場合、その方が永住申請しても、おそらく不許可になります。その方の夫も外国人であれば、夫の永住申請も不許可になります。
留学生をアルバイトで雇用する場合の留意点
留学生や家族滞在の外国人をアルバイトで雇っている場合、週に28時間以内の勤務を守ってください。
この週28時間というのは、月平均ではありません。年平均でもありません。
週のどこから数えても、週に28時間以内となっていることが必要です。
例えば、下記のような状況は、合法か非合法か分かりますか?
1/1(日)6時間
1/3(水)6時間
1/5(金)8時間
1/6(土)8時間
1/7(日)6時間
1/9(火)6時間
1/11(木)2時間
答えは、非合法ですね。
1/5~1/12までの1週間の就労時間が28時間を超えています。
実際には、ごく稀にこうした事態が生じたとしても、それのみをもってペナルティを受けることは少ないのですが、法律的にはこういう計算になるということを知っておいてください。
また、当該留学生が他のアルバイトをしている場合、合算して週に28時間以内にする必要もあります。
「他社でもアルバイトしているなんて知らなかった」という言い訳は通用しませんので、注意してくださいね。
留学ビザを持っていても、既卒者は就労できない
留学ビザを持っているが、既卒者である外国人は、日本の会社等でアルバイトすることはできません。
留学生が学校を卒業した日に、資格外活動許可が無効となるためです。
たとえば、卒業した日が3月25日で、留学ビザの期限が7月1日まである場合でも、3月25日以降は、雇用することが禁止されています。
専門行政書士による外国人雇用コンプライアンス診断
外国人を雇用した場合、在留資格や外国人雇用についての法制度に関して、いろいろな疑問が出てくると思われます。その都度、役所に聞いても、明確な回答が得られるとは限りません。また、役所は原則的な回答しかできないため、現場の実情に合わないこともよくあります。
また、外国人雇用に関しては、雇用企業だけでなく、派遣先もペナルティを受ける可能性があります。典型例としては、在留資格申請書に記載している内容以外の仕事を派遣労働者に行わせた場合です。
通常、外国人雇用に関するコンプライアンスを遵守している派遣元会社は、派遣契約時に、当該外国人社員が従事してよい業務を明確に説明します。そして、出入国在留管理局への申請内容も共有しています。しかし、そうではない場合も多いようです。
例えば、在留資格申請書には、生産管理、プログラミングと記載があるが、実際には、機械の操作、部品交換などが業務の大半である場合、派遣先もペナルティを受けます。具体的には、実態調査を受けたり、在留資格が取消になったりするリスクがあります。
当事務所では、外国人を雇用されている、これから雇用を検討されている企業様向けに、法律面、手続き面、採用面からサポートさせていただく顧問サービスを提供しております。
外国人雇用コンプライアンス診断の具体的内容
基本的には、下記の内容となりますが、貴社の状況に応じて、カスタマイズすることも可能です。
また、労働法専門の弁護士を紹介させていただくことも可能です。
外国人社員の在留資格についてのリーガルチェック
既存もしくは新規採用の外国人社員の在留資格について問題ないかリーガルチェックします。
貴社で外国人を技人国ビザで雇用して問題ないのか、当局から連絡があった場合にどのように対応すればよいか、最悪の場合はどうなるのかなどをできるだけ明確にします。
リーガルチェックをする場合、行政書士が就労場所を拝見し、仕事内容を詳しくお聞きした後、現状の課題、改善点についてレポートにしてお渡しています。打合せだけで終わると、すぐに内容を忘れてしまいがちですが、レポートにすることで現状の課題と改善のためにやることが明確になります。
キャリアパスに関するコンサル
ここ数年間、特に技人国ビザの審査がどんどん厳しくなっています。また実態調査も増えています。技人国ビザで許容されうるキャリアパスに関するコンサルを行います。具体的には、入社3年目までのキャリアパス案を策定し、運用に関する支援を行います。
外国人雇用や在留資格についての勉強会
外国人雇用の法律や制度を正確に知っておかないと、法律に基づいた外国人雇用ができず、採用のミスマッチも増えます。また、サービス業などでは、お客様から、「なぜ外国人が働いているの?ちゃんと就労ビザを持っているの?」と聞かれることもあります。こうした時、質問された社員(パート社員含む)が明確な回答ができないとお客様からの信頼が得られません。あらぬ誤解を招く原因にもなります。
こうした事態を避けるため、貴社の社員向けに、勉強会や質問会を行っております。通常、1~2時間です。当事務所の行政書士が講師となりますが、講師が一方的に話すのではなく、クイズ形式にしたり、ビザ関係書類の間違いさがしをしたり、楽しく学べるように工夫しています。
入管法違反での検挙事例の情報提供
ここ数年間、入館法令違反での検挙者は、毎年8000人以上います。この中には、外国人を雇用する会社の役員、担当者も含まれており、その数は毎年少しずつ増えています。どんな事案で検挙されているのか知っておくことで、コンプライアンスを見直す機会になります。
適正な外国人の採用支援
外国人の求人や採用方法は多岐にわたります。
これまで20年以上、外国人雇用の現場で働いてきた経験から、貴社の状況に合った適正な外国人の採用方法を提案します。
外国人雇用経験があり現場の実情にも詳しい行政書士が担当
本顧問サービスは「机上の理論」的なアドバイスをするものではございません。実際に外国人雇用に関わった経験のある行政書士が担当します。外国人雇用の現場の実情に即したサービスです。
外国人雇用コンプライアンス診断サービス 料金
状況によって異なるため、正確な金額をお見積りいたします。
下記、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
この記事を作成した人 ワールド行政書士法人 行政書士 濵川恭一







