ワーキングホリデーで来ている外国人(特定活動ビザ保有者)を雇用する、つまり就労ビザへ変更できるかどうかについては、国によって異なります。
日本と相手国とのワーキングホリデー協定には、ワーホリ終了後の扱い(一旦帰国が必要かどうか)についても記載があります。
ワーキングホリデー協定が突然変わることもあるのですが、現行制度では下記のようになっております。
ワーホリ終了後も引き続き雇用できる国(ビザ変更可能な国)
ワーキングホリデー制度は、日本と相手国との協定により、細かいルールが決められています。このため、国によっては、ワーホリビザ終了後も継続して雇用できますし、一旦本国に帰国しなければいけない国もあります。
ビザ変更できる国(引き続き雇用できる) | 韓国、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ |
一旦、帰国することが必要な国 | 上記以外 |
つまり、韓国、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダの5か国の方であれば、ワーホリビザ(特定活動ビザ)→就労ビザ(技人国ビザ等)への変更手続きを行うことで、引き続き雇用できる可能性があります。
上記以外の国の方であれば、一旦日本から出国し、就労ビザを取得してから改めて来日することになります。
一旦帰国が必要な場合でも、早期に呼び戻す方法
ワーキングホリデー終了後、すぐに本採用したい場合、上記の5か国であれば、ビザ変更が可能です。
しかし、それ以外の国(例えば台湾)の場合、一旦帰国が必要です。
一日でも早く呼び戻して本採用したい場合、本人が日本にいる間(ワーホリビザで日本滞在している間)に、就労ビザ(技人国ビザ等)の認定申請を行うという方法があります。
就労ビザの認定申請(正確には、在留資格認定証明書交付申請)は、いつでも可能です。
本人が日本にいても可能です。
ただし、ワーホリ終了後の一旦帰国は必須です。
具体例で説明すると、下記のようになります。
・現在、日本のホテルで働いている
・ワーホリビザ(特定活動ビザ)の在留期限は、2026年4月
・ワーホリ終了後、すぐにでも本採用したい
2026年1月頃 出入国在留管理局で在留資格認定証明書交付申請(日本にいる状態で申請)
2026年3月頃 在留資格認定証明書交付
2026年3月 一旦帰国(在留カードを空港で渡す)
2026年3月 台湾の日本査証取扱機関(日本領事館のような役所)で査証申請(約10日間)
2026年3月 日本に入国。空港で新在留カードを受け取り、即日就労可能
職種によって、就労ビザの種類が異なる
就労ビザの要件は、職種によって異なります。代表的な職種について、就労ビザ取得のための要件を簡単にまとめると以下になります。
ここで、特定技能ビザと技術・人文・国際ビザについて、簡単に説明しますね。
特定技能ビザとは・・・
分かりやすさを優先して説明すると、現業(単純作業)をしてもよいという就労ビザになります。このため、学歴や職歴に関する要件はありません。しかし、入社後にも定期的に役所に報告が必要になるなど、手続き的には煩雑なビザです。
技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)とは・・・
一定レベルの専門知識を要する仕事のみ該当するビザとなります。具体的には、営業、マーケティング、技術職などです。原則、学歴に要件があります。
内容 | 引き続き働きたい場合の対策例 |
レストランの店員 | 特定技能試験(外食分野)および日本語能力試験N4以上に合格すれば、特定技能ビザを申請できます。 |
ホテルのフロント等 | フロント専従者としての採用であり、本人が大学卒業者であれば、技術・人文・国際ビザを取得できる可能性があります。ホテルの規模、インバウンド対応の必要性、フロントスタッフとしての業務量など、通訳翻訳の要素がどれだけあるかがカギとなります。
フロントだけでなく、客室清掃、ホテル内レストランでの勤務など、幅広い仕事をしたい場合、特定技能試験(宿泊分野)および日本語能力試験N4以上に合格し、特定技能ビザを申請します。 |
免税店の販売員(外国語対応) | 本人が大学卒業者であれば、技術・人文・国際ビザを取得できる可能性があります。店舗規模、インバウンド対応の必要性、業務量など、通訳翻訳の要素がどれだけあるかがカギとなります。 |
語学教室の講師 | 本人が大学卒業者であれば、技術・人文・国際ビザを取得できる可能性があります。法人化していない語学教室であっても、生徒数が少なくても、開業したばかりであっても、就労ビザ取得の可能性は十分にあります。ただし、簡単ではないです。対策は、個別ケースにより異なります。 |
一般企業(営業、貿易、通訳翻訳など) | 本人が大学卒業者であれば、技術・人文・国際ビザを取得できる可能性があります。会社規模が小さくても、設立したばかりであっても、営業や貿易の仕事が十分にあることを具体的に証明できれば、就労ビザ取得の可能性は十分にあります。ただし、簡単ではないです。対策は、個別ケースにより異なります。 |
ワーホリビザの更新
ワーキングホリデービザのまま、1年以上働きたい場合、ワーキングホリデービザの更新手続きが必要です。ただし、現行のルールでは、オーストラリア人のみ、この手続きが(最長1年6ヶ月)認められております。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一