代表者が外国人である会社の銀行口座の作り方

設立したばかりの法人の銀行口座開設は非常に難しい

近年、法人の銀行口座の新規開設が非常に難しくなっています。法人口座を開設するためには、登記事項証明書、定款、税務署に提出した開業届などが必要ですが、これだけでは、口座を開設できないケースが増えているようです。

特に、外国人が代表者である会社の場合、非常に厳しい審査があるようです。口座開設を行う時のポイントは下記です。

  • 会社の周辺にある複数の金融機関に口座開設申込みをしましょう。
  • 口座を作りやすいのは、①インターネット銀行、②信用金庫、③ゆうちょ銀行、④地方銀行、⑤都市銀行の順番です。
  • 最初は、インターネット銀行や信用金庫に口座を開設し、1年後に、銀行口座を開設するという方法もあります。

法人口座の開設を断られるケースとは

下記のようなケースでは、法人口座の開設を申し込んでも、ほぼ間違いなく断られます。断られるケースに該当する場合、まずは、その状況を改善してから、申し込むようにしましょう。

代表者や役員の信用情報

税金、社保、公共料金の滞納も出る。
法人で社保未加入はNG
納税証明書で滞納がわかる。

事務所がバーチャルオフィス、シェアオフィスである

シェエアオフィスもほぼ開設できません。

以前、銀行の担当者に、その理由を聞いたことがあるのですが、バーチャルオフィス等の場合、すぐに移転される可能性がある。何かあった時に、移転先を調べる手間が発生するため、社内稟議が通りにくいとのことでした。言われてみると、納得の理由ですね。

事業内容、売上から考えて、融資の可能性が低い

銀行の利益の大半は、融資から得ています。つまり、銀行としては、融資しないと利益にならないから、本音はどんどん融資したいのです。逆に考えると、融資の可能性が低い企業の口座をたくさん作っても、銀行にとってはたいした利益にはなりません。だから、融資可能性が低いと判断されたら、口座開設を断られることが多いのです。

ただ、銀行によっては、ビジネスマッチング業務を行っている場合がある。ビジネスマッチングとは、企業と企業をつなげる仕事です。たとえば、銀行の法人顧客の中に、ベトナムに販売拠点を作りたい企業があったとします。そういう場合に、ベトナムでの販売ネットワークを持つ企業を紹介することがあります。

もし、あなたの会社が、そういった法人向けのサポートができるなら、そのことをアピールするとよいかもしれません。

口座開設申込み時の提出書類(例)

特に、外国人が代表者である場合、金融機関から指定されなくても、提出したほうがよい書類です。

会社の実態を証明する書類

  • 会社の印鑑証明書
  • 事業概要説明書
  • 取引先概要書
  • 事務所の賃貸契約書(コピー)
  • 事務所の敷金・保証金等の領収書(コピー)
  • 税務署に提出した法人開業届のコピー(税務署の受付印があるもの)

会社の継続性、経営基盤を証明する書類

  • 代表者の経歴書(履歴書)
  • 取引先リスト
  • 代表者個人名義の通帳のコピー(コピーするページは、表紙、2ページ目、直近3ヶ月の記帳ページ、資本金を振り込んだ時のページ、積立ページなど)
  • 会社のウェブサイト(主要ページを印刷したもの)
  • 事業を開始している場合は、月次決算書類、業務で必要な備品を購入した時の領収書(コピー)

ホームページに書いてあっても、プリントアウトして持参することがポイントです。金融機関では、顧客ごとにバインダーで情報を保管していることが多いからです。完全IT化、ペーパーレス化はどの業界でも難しいようですね。

会社の銀行口座開設時に銀行から聞かれる質問

質問:起業される前はどのような会社にお勤めですか?

回答例:履歴書を見せながら、過去の職歴について、分かりやすく説明しましょう。

質問:会社で扱う商品(サービス)はどのようなものですか?

回答例:会社案内や会社ホームページを見せながら説明しましょう。もし、実物を持参できるなら、実物を見せながら説明したほうがよいです。

質問:主な取引先は法人ですか?個人ですか?

法人の場合、見積書や請求書があれば、そのコピーを見せましょう。個人の場合、お客様の属性(国籍や年齢層など)も説明したほうがよいです。

質問:なぜ、本店所在地に部屋番号を記載していないのですか?郵便物が届きますか?

回答例:商業登記法(及び法施行規則)によると、部屋番号まで登記する義務はありません。将来、同じ建物内で移転した時、定款変更の必要がないようにするためです。部屋番号まで登記していると、同一建物内の移転であっても登記変更の登録免許税が3万円かかります。また、現実的に、取引先等が、登記事項証明書を見て、郵便物を送ってくることはまずありません。あるとしたらダイレクトメールだけです。ですので、部屋番号まで記載しておりません。

質問:なぜたくさんの事業内容を記載しているのですか?

回答例:将来、事業目的の追加や変更があった時、定款変更の必要がないようにするためです。定款変更、登記変更のたびに、法務局に支払う登録免許税が数万円かかるからです。

質問:なぜ銀行ではなく信用金庫に口座を開設したいのですか?

回答例:信用金庫は、地域の中小企業向けのサービスをしていると聞きました。都市銀行よりも、会社に近くて便利だと思ったからです。

質問:初年度の売上はどれくらいを予定していますか?

回答例:会社によります。よく聞かれる質問ですので、即答できるようにしておいてください。

質問:今持っているビザ(在留資格)は、経営活動をしてもよいビザですか?

回答例:はい、経営・管理ビザを持っています。(もしくは、経営・管理ビザを申請中です)

質問:どなたか日本人の協力者はいますか?

回答例:税理士さんと顧問契約している場合、その税理士事務所の名刺などを出してください。まだ顧問契約していない場合、ビザ申請をサポートしている行政書士の名前でも構いません。

つくばワールド行政書士事務所では、じっくりとお客様の状況やご要望をお聞きし、質の高い相談を提供したいと考えているため、初回に限り、1時間あたり11,000円の相談料をいただいております。
オンライン(ZOOM、スカイプ等)、面談、電話の中から、ご都合のよい方法をお選びください。行政書士の予定があいていれば、当日のご予約も可能です。貴社内での相談等をご希望の場合、別途交通費をいただいております。

なお、相談後、コンサルティング業務等を依頼いただいた場合、相談料は業務料金の一部に充当します(実質無料相談)。

有料相談に含まれること
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この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

 

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