会社を買収し、経営管理ビザを取得することは可能
会社を買収して社長になる場合でも、経営管理ビザを取得することは可能です。自分で会社を作った場合でも、他人が作った会社を買収した場合でも、その経営管理活動に携わる点で、「経営管理」という業務に従事することには何ら変わりないからです。
買収したことを証明する資料が多数必要
買収したという事実は、登記事項証明書に記載されますが、これだけでは証拠不十分です。株式売買契約書や送金証明書など、きちんと株式の交換が行われたことを立証しなければなりません。株主も変わりますので、株主名簿の書き換えも必要です。
買収価格の経緯説明書
会社買収の場合、資本金1000万円の会社を1000万円で買収すればよいというものではありません。買収額が適正価格であり、かつ、その価格の積算根拠や買収過程をきちんと説明する必要があります。価値の高い会社であれば、資本金300万円の会社を600万円で買収するというケースもあるでしょうし、逆に資本金1000万円の会社を400万円で買収するというケースもあるでしょう。
会社買収による経営管理ビザ 必要書類
- 在留資格変更許可申請書(他のビザから変更の場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書(海外から呼び寄せる場合)
- 証明写真(直近3ヶ月以内のもの。縦4cm×横3cm)
- 株式売買契約書
- 株式売買時の送金記録(振込に使用した通帳のコピーなど)
- 株式売買の経緯説明書
- 株式売買価格についての根拠説明書
- 事業計画書
- 登記事項証明書
- 定款のコピー
- 株株主名簿
- 取締役の報酬を決定する株主総会議事録
- 会社名義の銀行通帳のコピー
- 会社案内 ※役員、沿革、業務内容、主要取引先、取引実績が記載されたもの
- 大学の卒業証明書(大卒者の場合)
- 日本語能力を証明する書類(日本語が話せる場合)
- 申請理由書 ※これまでの経歴、起業のきっかけ、出資金の形成過程説明、共同経営者と知り合ったきっかけ、共同経営者との役割分担、起業準備中に行ったこと、集客チャネル、自分の強み、経営にかける意気込みや覚悟、会社の概要、経営経験、将来の事業展望などを記入。
会社買収による経営管理ビザ よくある質問
会社を買収して、外国人が代表になる場合、経営管理ビザに該当しますが、状況によって審査のポイントが異なります。ここでは、よくある質問を紹介します。
休眠会社を買収した場合、経営管理ビザの取得は難しいですか?
はい、ほとんどのケースでは難しくなります。状況次第では、新規に会社設立したほうが早いかもしれません。
ただし、許認可事業を行う場合、その許認可が有効であれば、許認可を改めて取得する必要がないため、時間を節約できます。
たとえば、有料職業紹介事業許可を得るためには、書類収集に約1ヶ月、申請から許可まで2~3ヶ月かかります。申請時に登録免許税など(15万円くらい)を役所に納める必要もあります。
その他、代表的な許認可は下記です。
- 建設業許可
- 宅地建物取引業許可
- 産業廃棄物許可
- 運送業許可
- 古物営業許可
- 旅館営業許可
- 民泊営業許可
- 労働者派遣事業許可
- 職業紹介事業許可(海外人材を扱う場合は、国外許可も必要)
- 登録支援機関(特定技能外国人の法定支援を行う時に必要な登録)
なお、当事務所では、これら全ての要件確認(引継可能かどうかのチェック)を行うサービスも提供しております。詳しくはお問い合わせください。
新規設立会社の代表になる場合と比較して、経営管理ビザの難易度は高いですか?
これも状況によりますね。
買収のほうが有利なケースとしては、ある程度の売上があり、経営が安定している場合です。直近3期の決算書類で、債務超過なし、欠損金なし、相応の売上がある場合、経営安定性に関する審査はスムーズです。
買収契約を進める際 注意すること
- 会社が保有している許認可が有効か。再取得の必要がないか?
- 決算書類に記載がない負債(借金)がないか?
- 会社名義の預金通帳の残高
- 売上金は回収できるのか?
- 賃貸事務所の場合、移転した場合に敷金は戻ってくるのか?
- 従業員への未払い残業代がないか?
なお、相談後、ビザ申請代行業務等を依頼いただいた場合、相談料は業務料金の一部に充当します(実質無料相談)。
※請求書が必要な場合、ページ右上の「お問い合わせ」からご連絡ください。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一