この記事は、2024年9月3日現在の報道発表情報に基づき解説した内容となります。
これまで、技能実習生の転職は認められていませんでした。しかし、技能実習制度が育成就労制度に移行することを受け、現行の技能実習制度でも条件付きで転職が認められことになりました。
時期は未定ですが、2024年中にも決定される見込みです。
制度改正の背景
毎年、1万人近くの技能実習生のが失踪しています。その原因は、劣悪な労働環境、不衛生な住環境、ハラスメントなどさまざまです。中には、条件の良い職場を求めて失踪する実習生もいますが、今回の制度改正の大きな目的は、雇用する側に原因がある失踪を防ぐためといわれています。
技能実習生の転職が認められる要件
正式決定ではありませんが、報道発表されている情報を整理すると、以下のようなケースで認められる可能性が高いです。
- 職場で暴力、暴言、ハラスメントを受けている。
- 直接の被害者だけでなく、同じ職場で働く実習生にも適用する。
ただし、自己申告では認められないでしょうから、何らかの証拠が必要になると思われます。
また、技能実習生の転職に関する措置については、下記が検討されています。
- 人手不足対策の在留資格「特定技能」への移行を希望する場合は、特定技能評価試験に合格するまでの間、「特定活動」の資格での在留・
就労を可能とする。 - 特定活動に変更するまでの期間、週28時間までは職種を問わずアルバイトを認める
。
つまり、整理すると、こういうことですね。
外国人材を扱う人材会社にとっては、新たなビジネス機会になるのかもしれません。
ただ、技能実習生を雇用していた企業(実習先)にとっては、大きな痛手となります。技能実習生を受け入れるために、相当な費用を払っているわけですから、このあたりの調整も必要になると思われます。