日本国内の学校で留学生を受け入れる場合、学校側でやるべきことがいくつかあります。大きく分けると、以下の3つとなります。
2.留学生の入学~卒業までのサポート(学生サポート)
3.留学生の就職支援
はじめて留学生を受け入れる場合、まず大きなハードルとなるのが、留学ビザ(在留資格)の申請だと思います。当事務所は、外国人の在留資格手続きを専門とする事務所ですので、留学ビザに関しても、様々なケースを扱ってきました。
まずは、留学ビザのポイントについて解説したいと思います。
日本の留学ビザの申請に際して重要なポイント
日本の学校に入学したからといって、自動的に留学ビザが発行されるわけではありません。大学の場合、比較的許可率は高いですが、新設の日本語学校の場合、許可率は50%を切ることもあります。留学ビザの細かい要件や審査基準は公開されていないため、独自の判断をしてしまうと許可になりません。
特に最近、滞在支弁方法の信憑性について厳しく審査される傾向にあります。例えば、下記の点を厳しく審査されます。
- 滞在費、学費の支弁者と申請人との関係
- 支弁者が申請人の両親でない場合、支弁する合理的説明および根拠
- 留学ビザの更新の場合、前回の支弁者と同じであるか。異なる場合、変更になった理由の説明および根拠
また、学校からの奨学金が出る場合、下記の点を審査されます。
- 奨学金規定、返済計画書等が提出されているか?
- 上記は申請人が理解できる言語(母国語等)で書かれているか?
- その他、奨学金での学費支弁に関する法務省ガイドラインに沿ったものか?
2.留学ビザ申請に必要な書類
必要書類は学校によって、また適正校か否かによって異なります。はじめて留学生を受け入れる場合、必須書類に加えて任意で提出すべき書類も多数あります。任意書類については、個別事案によって異なります。
3.申請書の作成
出入国在留管理庁指定の様式を使用します。突然書式が変わることがありますので、都度、最新版を確認してから使用するようにしてください。
また、科目履修生の場合、留学目的や履修プランなどを詳細に記載することが求められます。
4.申請先の確認
入学予定の留学生が日本国内にいる場合、その留学生が住む場所を管轄する出入国在留管理局となります。学校がある場所ではありません。例えば、入学予定の留学生が京都にいて、東京の専門学校に入学する場合、在留資格変更申請を行う場所は、大阪出入国在留管理局もしくは京都出張所になります。
一方、本人が海外にいる場合(海外から呼び寄せる場合)、学校の住所を管轄する出入国在留管理局となります。上記のケースですと、東京都港区にある東京出入国在留管理局となります。
そして、本人が海外にいる場合、東京出入国在留管理局から在留資格(在留資格認定証明書)が発行された後にも手続きがあります。本人が住む国での査証申請という手続きです。
査証申請は、原則、本人が行います。申請場所は、その国にある日本領事館、または日本領事館が指定する留学ビザ代理業者などがあります。
5.申請手数料の支払い
査証申請時には、申請書類の提出とともに手数料の支払いが必要です。
これらのポイントを把握し、正確な情報と文書を用意することが、日本の留学ビザの申請において重要なポイントです。
留学生向けガイダンス
無事に留学ビザが発行され、留学生が入学した後は、留学生に対する各種サポートが必要となります。特に、海外から留学生を受け入れた場合、留学生は日本での生活にほとんど慣れていませんので、何をするにしても戸惑うことが多いと思います。留学生がもともと日本にいたのか、海外から来たのかによってサポート内容は異なりますが、下記は当事務所が留学生向けガイダンスでお話している内容の一例です。
- 留学ビザが更新できない4つのケースとは
- 資格外活動違反を正確に理解していますか?
- 資格外活動違反をするとどうなるか?(在学中、卒業後)
- 大学卒業者が対象になる4つの就労ビザ
- 就労ビザのよくある誤解
- その他(外国人関連のニュース解説等)
留学生ガイダンスのイメージを持っていただきたいので、実際にガイダンスで使用しているスライドを何枚か紹介しますね。ここで紹介するのは、ごく一部ですが、1時間の留学生ガイダンスをする場合、50枚くらいのスライドで説明しています。そして、各項目について、実際にあった事例を具体的にお伝えしています。
留学生向け入学時ガイダンスでは、学生生活、単位履修方法など一般的なことに加え、資格外活動について正確に伝えてください。多くの留学生はかなり誤解して解釈していたり、自分達に都合のよいように解釈しています。
資格外活動違反は、入管法70条および73条に規定されていますが、違反すると、最悪の場合は退去強制になります。学校の評価も下がります。適正校の認定も取り消される場合もありますので、十分注意しましょう。
また、海外から来た留学生については、以下のサポートも行ったほうがよいですね。
留学生の手引きの作成
県や市によっては、留学生の生活ガイドのような冊子が発行されているケースもありますが、学校独自のものを作成されたほうが、トラブルを防げます。日本人学生にとっては当たり前のことであっても、留学生にとってはそうでないことも多いです。
当事務所でも、これまで何度か、学校個別の手引きの作成をサポートしたことがあります。目次案の作成から、文章作成、翻訳などを担当させていただきました。留学生向け手引きには、以下のようなことを載せることが多いです。
- 日本での生活ルール
- 日本の交通ルール、基本的な法律、条令についてのガイダンス
- 役所でできる手続き一覧
- 海外送金、海外からの送金受取に関する情報
- 自治体、ボランティア等が主催している日本語教室の情報
- その他
つくばワールド行政書士事務所では、じっくりとお客様の状況やご要望をお聞きし、質の高い相談を提供したいと考えています。電話やメールで断片的な情報だけお聞きしても正確な回答は難しいです、ですので、初回に限り、60分の無料相談を行っております。
無料相談は、留学生受入支援サービスを検討いただいている学校法人様であれば、対応させていただきます。
無料相談はZOOM限定となります。電話やメールでの相談には対応しておりません。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一