このページでは、日本語学校に通っている留学生を採用したい場合の就労ビザについて、当事務所によくいただく相談事例を解説しています。
相談内容
弊社では、ベトナム人の留学生がアルバイトで働いているのですが、その方を正社員として採用したいと考えています。ただし、最終学歴が高卒であり、現在は日本語学校に通っていいます。日本語学校の成績や出席率に問題はありません。
こうした状況ですが、この外国人社員の在留資格(就労ビザ)を取ることができるでしょうか?
行政書士からの回答
貴社の業種や本人の最終学歴によって、方法が異なりますので、順番に説明していきますね。
現場で採用したい場合(11業種限定)
まず、以下の16業種の現場で採用したい場合は、特定技能ビザという就労ビザを申請します。
- 介護
- ビルクリーニング業
- 工業製品製造業分野(素形材産業・産業機械・電気電子情報関連製造業)
- 建設業
- 造船・舶用工業
- 自動車整備業
- 航空業
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
- 自動車運送(トラック、バス、タクシー等)
- 鉄道
- 林業・木材産業
特定技能ビザについては、こちらのページで詳しく解説していますが、簡単に説明すると、本人が特定技能評価試験と日本語能力試験N4以上に合格すれば、このビザを取得できる可能性があります。企業側の条件が細かいのですが、要はきちんと社会保険に加入しており、直近1年以内に会社都合退職者などを出していなければ、問題なく取得できることが多いです。具体的な必要書類や、申請方法は業種によって異なりますので、お問い合わせください。
一定の専門知識を要する仕事の場合(ホワイトカラーでの採用)
次に、上記の特定技能ビザの業種に該当しない場合、本人の学歴(正確には学位)が非常に重要になってきます。就労ビザというのは、誰でも許可されるものではなく、原則、何らかの専門知識や技能がある人に付与されます。日本人が海外で働く場合も同じですね。例えば、ハワイが大好きだからといって、米国の就労ビザを取らずにハワイの会社やお店で働いていると不法就労になります。
本人が母国などで大学を卒業している場合
話が脱線しましたが、本人が学士や準学士の学位がある場合(国内外の大学を卒業している場合)、技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)を取得できる可能性があります。
技人国ビザについては、こちらのページで詳しく解説しています
もし、こうした学位がない場合は、日本語学校を修了後に、大学もしくは専門学校に進学して、卒業後に本採用するという方法になります。
もしくは、一旦、母国に帰国し、母国の大学を卒業してから改めて呼び寄せるという方法になります。
本人が大学を卒業していない場合
日本語学校の留学生の中には、海外で大学を卒業していないけれど、職歴がある方もおられます。もし、以下の実務経験があるなら、技術・人文知識・国際業務ビザを取れる可能性があります。
貿易、通訳、語学講師等・・・実務経験3年以上
営業、技術職など・・・実務経験10年以上
日本語学校を中退して、就労ビザを申請する場合
日本語学校を中退して就職する場合、日本語学校の出席率が非常に重要です。日本語学校の出席率が高い場合、それほどマイナスにはなりません。
出席率が少ない場合、その理由をきちんと書面で説明する必要があります。病気なら診断書が必要ですし、もう完治したという根拠も必要です。やむを得ない事業があるなら、そのことを詳しく説明しましょう。
もし、単に学校をさぼって行かなかったということでしたら、就労ビザの審査上、かなりマイナスとなります。出席率が極端に低い場合、一度帰国してから就労ビザを申請するか、日本語学校に通って出席率を上げてから就職したほうがよいでしょう。
ワーキングホリデー制度で働く(1年程度)
ワーキングホリデー協定を結んでいる国の方であれば、ワーホリ制度を利用して、あと1年程度(国による)、
ワーキングホリデー対象国は下記です。変更になる可能性がありますので、正確には外務省等の公式サイトで確認ください。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チェコ、チリ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、イタリア、フィンランド、ラトビア
なお、相談後、コンサルティング業務等を依頼いただいた場合、相談料は業務料金の一部に充当します(実質無料相談)。
●相談後に要点メモをメールします(メモを取る必要がないので相談に集中できます。また、上司等への報告書や稟議書にも使用できます)
●関連資料のご提供(なかなか探しにくい法務省ガイドラインや過去判例の該当ページコピーなど
●相談後に追加質問がある場合、1週間以内であればメール1往復での追加相談可能
●その他、時間内で対応できること(文章作成、書類チェックなど)
有料相談のお申込み、ご質問などは、本ページ右上の「お問い合わせ」からご連絡ください。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一