海外の取次機関(人材会社)との契約書の作り方

国外にわたる人材紹介事業を行う場合、相手国の取次機関(人材会社)と基本契約を結ぶことが多いです。このページでは、この場合に作成する契約書のポイントについて紹介しています。

海外の取次機関との契約書に記載すべき内容

本契約の目的および適用範囲

契約の目的はすべての条文の基礎になります。条文の解釈で相違が生じたときに、契約の目的が重視されます。

相手国の取次機関との業務分担

自社で行うこと、相手方で行うことをできるだけ明確にしておきます。細かい点については、個別案件ごとに特約をつけるということでも構いませんが、基本契約書では、基本的な役割分担だけは決めておきましょう。

契約期間

通常1年契約のことが多いですが、自動更新にするか、しないかは重要です。自動更新にする場合においても、解約できる旨を記載したほうがよいでしょう。

手数料

自社が受領する手数料および相手方に支払う手数料を記載します。

準拠法

準拠法については必ず記載しておきましょう。できれば日本の法令に基づくと記載できればよいのです。

守秘義務

守秘義務についても必ず決めておきましょう。国によっては、守秘義務という概念が乏しい国もありますから注意してください。

その他契約書に記載すべきこと

財産管理、候補者(内定した人材等)の渡航費、反社会的勢力の排除、法令順守、紛争が起きたときの解決方針などについても記載しておいたほうが安心ですね。

海外の取次機関(人材会社)と契約するときの注意点

国や地域によって、また取引形態によって細かい注意点は異なりますが、ここでは、一般的な注意点を解説します。

文化商慣習の違いを考慮して商談する

相手国の商慣習やビジネス文化が日本とは異なる場合が多いので、契約書に含まれる条件や期待される商慣習を理解しておくことが必要です。

また、契約交渉の際のアプローチや重視されるポイントが異なる場合があるので、相手の国の交渉スタイルを理解しておくことも有用です。

例えば、契約内容の決定プロセスを例にとると、日本では、合意に至る前に複数の内部承認を得る必要があり、決定プロセスが慎重で時間がかかる場合があります。内部の意見調整が優先される傾向があります。

一方、欧米諸国などでは、決定プロセスが迅速であることが多く、交渉の場で即決することが珍しくありません。ただし、後に再交渉や変更が求められることもあります。

また、日本のビジネス文化では、一度結ばれた契約は厳守されるべきものとされ、契約後の変更には慎重な態度が求められることが多いです。しかし、そうでない国も多いです。国によっては、契約は柔軟なものとみなされ、状況の変化に応じて契約内容を見直すことが頻繁に行われます。交渉後も再交渉の余地が残されることがあります。

海外労働に関する当該国の制約

国によっては、自国外で労働者が働く場合に、規制をかけている場合があります。また規制はなくとも、海外労働許可が必要な国もあります。

フィリピンなどが代表例ですね。フィリピン人が国外で働くためには、フィリピン海外雇用庁から許可を取る必要があります。この許可申請のためには、英文で40枚程度の書類を用意する必要があり、さらに政府認定のエージェント(取次機関)を通す必要があります。費用も相当かかります。こうした対象国の事情なども考慮しておきましょう。

契約履行の保証について

契約履行を確実にするための保証や担保の設定を検討し、相手方の履行能力を確認しておきましょう。

最低限チェックしておくことは、相手方の公式サイト(ホームページ)、登記事項証明書、営業許可証の閲覧です。公式サイトは公開されていますし、登記事項証明書なども公開情報ですから、頼めば見せてくれるはずです。

相手方によっては、公式サイト上で決算情報を公開している場合もあります。また、企業の沿革や実績、主要取引先などもチェックできます。

また、代表者の経歴や実績もできる限り調べておきましょう。

可能であれば、相手企業のオフィスや工場を訪問し、現地の運営状況や設備の状態を確認します。相手方を訪問したい旨を伝えると、たいていは喜んで迎えてくれます。

私も、ベトナムやミャンマーの企業を訪問したことがあるのですが、その際、事前に訪問する旨を相手方にメールで伝えておいたとろこ、現地の空港までプラカードを持って迎えに来ていただいたことが何度かあります。

為替リスク

支払い通貨や為替リスクについても検討しておきましょう。状況によっては、為替変動に対する対策を講じることが必要です。

税務・関税

人材紹介だけであれば、それほど気にする必要がないのかもしれませんが、もし商品の輸出入も関係してくるなら、両国間で発生する税務処理や関税に関する条項を明確にしておく必要があります。二重課税を避けるために、どのように税金が処理されるかを税理士さんなどに確認しておきましょう。

知的財産権の保護

対象となる人材が特許保有者である場合などは、知的財産権の保護に関しても検討しておきましょう。

海外の取次機関との契約書雛形

契約書雛形(日本語・英語版テンプレート)

海外の取次機関との契約書雛形を販売しております。ワードデータで納品します。

そのまま基本契約書として使用いただいてもよいですし、貴社の状況に合わせて適宜修正しながら使っていただくことも可能です。

契約書雛形の価格

33,000円(税込)

日本語および英語版

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