特定技能外国人を採用する際、企業側で行う支援内容とは

本稿は、月刊人材ビジネス誌 2020年11月号で執筆した内容を加筆修正して、掲載しております。

介護、建設、製造業などの分野で、少しずつ採用数が増えている特定技能外国人。この特定技能外国人を採用するためには、10の支援を行う必要があります。本稿では、その支援内容について具体的に解説します。

最初は少し大変、慣れればルーチン化できる

特定技能外国人を受け入れる際には、下記のような支援や届出が必要となります。最初は少し大変ですが、慣れてくれば、それほど難しい内容ではありません。

特定技能外国人に対する支援や届出をきちんと行うことで、外国人にとっても働きやすい職場となります。また、次の採用がやりやすくなる、業務改善につながるなど、企業側にとってもメリットがあります。最初は少し大変ですが、登録支援機関などの支援を受けながら、実行してください。

支援の外注は可能、届出は外注不可!

支援については、登録支援機関に委託(外注)することも可能です。全部を委託することも、一部を委託することも可能です。届出については、自社で行う必要があり、外部への委託はできません。ただし、通常は、登録支援機関が届出書類の書き方をアドバイスしてくれますので、安心してください。

支援を外注するかどうかで迷ったら

はじめて特定技能外国人を採用される企業では、入社後の支援を外注するか否かで迷われると思います。外注する場合の費用相場は、1名あたり、月額2~5万円です。技能実習生の監理費と同額程度です。年間で考えると、相応の費用になりますので、自社で行うか外注するかは慎重に考える必要があります。

既に、他の方法(技能実習生等)で外国人を受け入れた経験があり、8種類の届出書を作成する事務員の方がおられるなら、自社で支援できると思われます。届出書類については、出入国在留管理局のホームページからダウンロードできますので、実物をご覧になって、自力で書けそうかどうか判断してみてください。また、自社でもできると思うけれど、最初の数年は、登録支援機関に委託してみて、そのやり方を学ぶという方法もあります。

もし、外国人採用がはじめてということであれば、最初の1年は、登録支援機関に委託されることをお勧めします。特定技能ビザの更新時には、支援を確実に実施しているか、届出内容に不備がないか、届出が遅れて提出されていないかなどを厳しく細かく、重箱の隅をつつうような審査があります。

次に、どの登録支援機関に委託するのかについてですが、既に技能実習生を受け入れている場合、監理団体が登録支援機関を兼ねているケースが多いですので、その監理団体にお願いするのがよいかと思います。そうでない場合は、登録支援機関の担当者を見て、「外国人雇用に関する知見」があるかどうか、「外国人の支援や育成について愛情や情熱、しっかりした理念」を持っているかどうかで判断されるとよいです。外国人雇用に関する高い知見としっかりした思いを持っている担当者や登録支援機関は、適正かつ柔軟な支援を行うことができるからです。

特定技能外国人を受け入れるために必要な10の支援

1.事前ガイダンスの実施

入職前に、事前ガイダンスを行うことが櫃用です。ガイダンスで伝えることも細かく決まっており、従事する業務内容、報酬、労働条件、日本の気候などです。3時間程度行うことが義務つけられています。

2.出入国の際の送迎

入国の際には、空港まで迎えにいき、勤務先まで送迎することが必要です。専用車ではなく、公共交通機関を使っても構いません。また、帰国の際には、空港まで送り、保管検査場まで付き添うことが必要です。これは、失踪を防止するための措置です。

3.住居の確保

自社で社宅や寮を用意するか、もしくは賃貸契約のサポートが必要です。具体的には、住居探しの手伝い、賃貸契約に同席などのサポートです。

4.生活オリエンテーションの実施

日本での生活に必要な事項(金融機関、医療機関の利用方法、交通ルールなど)、在留資格に関する事項、税金の基礎知識などを、当該外国人が十分に理解できる言語で説明します。日本人が講師をする際には、通訳者をつけるのが一般的です。

5.公的手続き等への同行

必要に応じて、市役所での住所変更、納税の手続き等に同行し、書類作成の支援を行います。海外に住む親族を扶養に入れる場合、その手続きのサポートも必要です。母国から発行される親族関係証明書の翻訳や扶養する必要性を説明した文書作成も行うことがありますね。また、スマートフォンの契約もサポートしてあげたほうがよいでしょう。日本人なら誰でも経験のある手続きですが、外国人ならではのルールや手順があります。

6.日本語学習機会の提供

日本語学習教材やオンラインレッスンに関する情報提供、施設内での日本語教育の実施など。

7.相談、苦情対応

当該外国人が十分理解できる言語(原則として母国語)で相談や苦情に対応する体制をつくる必要があります。

8.日本人との交流支援

地域のお祭りやイベント情報の案内、外国人支援ボランティアなどの案内など。必要に応じて、こうしたイベントに連れて行ったり、参加申込のサポートも必要。

9.会社都合退職の際の転職支援

ハローワークへの登録サポート、求人情報の探し方アドバイスなど

10.定期的な面談、行政機関への通報

3ヶ月に1回以上、当該外国人と面談し、仕事や生活面での悩みや要望などをじっくり聞きます。この面談についても、外国人が十分に理解できる言語で行うことが必要ですので、通訳者なども必要になってきます。そして、定期面談後には、定期面談に関する報告書の作成義務もあります。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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