行政書士が解説!フィリピン人の離婚手続(アナルメント)

フィリピン共和国では、離婚や別居が法律上認められていません。つまり、離婚することが事実上できません。

離婚することが認められていないわけですから、当然、再婚するこもできません。

離婚の代わりとなるのが、婚姻無効の法的手続(アナルメント)です。

アナルメントとは、婚姻が存在しなかったかのように無効であると宣言する手続きです。この手続きは、通常、フィリピンの弁護士に依頼する必要があります。以下、そのプロセスや要件について、解説します。

婚姻無効を取得するプロセス

個別事案の状況によって細かい部分が異なりますが、概ね以下のとおりです。

1. 弁護士への相談

この手続きは、家族法を専門とする弁護士に相談することから始まります。弁護士はあなたのケースを評価して、婚姻無効の最も適切な法的根拠を決定し、法的手続きを案内します。

2. フィリピンの裁判所に請願書を提出する

申立書は申立人または被申立人の居住地を管轄する家庭裁判所に提出されます。
申立人は、婚姻無効の理由を裏付ける実質的な証拠を提出する必要があります。
請願書には、配偶者の個人情報、結婚の詳細、婚姻無効の法的根拠が記載されていなければなりません。

3.  婚姻無効を希望するフィリピン人が裁判所へ出頭(召喚と応答)

裁判所は、被告(婚姻無効の訴えを起こされている配偶者)に召喚状を発行し、請願書に回答できるようにします。被告は、婚姻無効の請願書に異議を唱えることも、同意することもできます。

4. 裁判所での審査

公判前段階では、裁判所は当事者間の和解を試みることがあります。和解が不可能な場合は、事件は公判に進みます。
裁判では、両当事者が証拠と証人を提示します。特に精神的無能力の場合には、心理学者などの専門家の証人が召喚されることもあります。
検察官は、婚姻無効が共謀行為ではないこと、つまり両当事者が都合よく婚姻を無効にするために共謀していないことを確認します。

5.  裁判所による婚姻無効の判決

裁判の後、裁判所は判決を下します。裁判官が婚姻無効を認めた場合、その結婚は無効と宣言されます。

6. 判決の確定

判決後、それが確定となるまで待機期間(通常 15 日間)があります。控訴が行われない場合、決定は最終的かつ執行可能となります。

7.婚姻無効判決の発行

判決が確定すると、婚姻無効の判決が発せられ、民事登記官が婚姻記録を抹消します。

その後、両当事者は自由に再婚することができます。

婚姻無効の要件

婚姻無効化の手続きを開始するには、通常、次の書類が必要です。

  • 結婚証明書(フィリピン統計局 (PSA) 発行の結婚証明書)
  • 婚姻無効の根拠の証明(医療報告書、心理学的評価、詐欺の証拠など、婚姻無効の根拠を裏付ける文書および証言)
  • 居住証明:(申請者が一定期間(通常は申請前の 6 か月間)フィリピンに居住していたことの証拠。
  • 子供の出生証明書(結婚により生まれた子供の出生証明書の認証)
  • その他、状況により裁判所の指定あり

費用と期間

婚姻無効手続(アナルメント)にかかる費用

婚姻無効にかかる総費用は、事件の複雑さ、弁護士費用、心理評価に応じて
₱300,000 から ₱500,000 以上の範囲になります。

日本円換算で、目安として、80~130万円の範囲になることが多いようです。

※フィリピンの弁護士によっては、初期費用(着手金)を安く設定していることもありますが、追加費用や実費の請求が別にあり、最終的な費用は上記前後になることが多いようです。

婚姻無効手続(アナルメント)にかかる期間

フィリピンでの婚姻無効訴訟は、訴訟が争われているかどうか、また裁判所の未処理訴訟の件数に応じて、通常 1 年から 2 年かかります。

婚姻無効の手続き よくある質問

婚姻無効の手続きについて、よくいただく質問です。

元夫(元妻)が日本人の場合、元夫(妻)に関する書類も必要ですか?

日本で離婚が成立している場合、元夫(日本人)の戸籍謄本が必要です。元夫の氏名、生年月日、本籍地(市まで)が分かれば、取得できます。

どこまで進んでいるか進捗確認する方法はありますか?

弁護士に手続きを依頼する場合、通常6ヶ月ごとに、弁護士から進捗状況に関する報告書が出されます。

これをしない弁護士も多いそうなので、注意してください。

アナルメントが完了しないケースもあるのですか?

アナルメントが完了しないケースは限りなく0に近いです。しかし、期間の保証はありません。フィリピン側の手続きであるため、ものごとがフィリピン時間で進みます。裁判所の審査期間はこちら側でコントロールできません。ですので、せめて弁護士だけでも、迅速に動いてくれる人に依頼することをお勧めします。

婚姻無効が確定した場合、実子はどういう扱いになりますか?

婚姻無効前に生まれた子どもは、裁判所が別段の宣言をしない限り、嫡出子とみなされます。また、裁判所は、子どもの最善の利益に基づいて、子どもの親権、養育費、面会権に関する事項を決定します。

婚姻無効が確定した場合、元夫婦の財産はどういう扱いになりますか?

裁判所は婚姻中に取得した財産の分割に関する命令を出すことができます。財産制度は解消され、それに従って資産が分割されます。

婚姻無効の手続き中、本人(フィリピン人)は、日本に来ることができますか?

はい、親族知人訪問というビザで来日可能です。ただし、1回90日までとなります。


フィリピンにおける婚姻無効手続きは、厳格な要件を伴う複雑な法的手続きです。根拠に基づいて結婚を無効と宣言する法的手段です。経済的にも精神的にも負担となる可能性がありますが、良い結果につなげるために、経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

当事務所では、婚姻無効の手続きを本気で必要とされている方に、信頼できるフィリピンの弁護士および窓口となるコンサルタント(通訳者)をご紹介しております。

前述したとおり、アナルメントには相応の費用と期間がかかります。この点をご理解の上、それでも手続きを希望される場合、メールにてお問い合わせください。

誠に恐縮ですが、単に情報収集のみの場合や、話だけ聞きたいだけといった場合は、対応をお断りしておりますので、ご了承ください。

 

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