弊社では、2ヶ月前に就労ビザを申請したのですが、まだ結果が出ません。結果が出ないと、入社後の研修計画を立てられず困っています。出入国在留管理局に電話で聞いたら、「お答えできません」との回答でした。目安のようなものはあるのでしょうか?
在留資格申請の結果が出ないと、もやもやしますよね。
この気持ちはとてもよく分かります。我々、行政書士にとっても頭の痛い問題です。私の私見ですが、誠実で真面目な行政書士ほど、この問題に悩まされているような気がします。
他の許認可の場合、結果通知日が決まっていることもあるのですが、在留資格申請は一切決まっていません。
同じような状況であっても、早く結果が出る時となかなか出ない時があります。
ほとんどの場合、これは、会社側のミスでも、行政書士側のミスでもありません。
在留資格を申請してから結果が出るまでの審査期間については、入国管理局の発表では、2~3ヶ月程度となっております。ただ、これは建前であり、実際には、これより短い場合も、長くかかる場合もあります。
通常、上場企業や適正校(在籍管理優良校)、提出書類の信憑性の審査が不要である方(全て日本国内で発行された公的な書類であるなど)については、早期に結果が出ることが多いです。しかし、以下のような場合、条件の良い方であっても、遅くなる場合もあります。
慎重審査になるケース(原則、慎重に審査する)
<共通>
- 再申請の場合、再々申請の場合
- 国外で発行された書類の信憑性を確認する必要がある場合 ※例えば、海外の大学の卒業証明書、在職期間証明など
- 提出書類が膨大にある場合(審査官の立場からすると、提出されたら審査するしかない。審査と直接関係ない書類であっても無視はできないため、審査に時間がかかる)
- 必須書類が提出できない場合(例えば、本国での卒業証明書が提出できない場合、代用書類を提出できたとしても審査期間は長くなることが多い)
- 入国管理局の繁忙期(通常、12月~3月くらいまで)
- 入国管理局内の人事異動(担当審査官の交代、最終決裁審査官の交代)
<受入機関>
- カテゴリ3もしくはカテゴリ4(源泉徴収税額1000万円未満の法人)
- 直近期決算で債務超過となっている
- 外国人(留学生)受入の実績がない場合
- 直近5年間、外国人の就労・留学に関して行政指導を受けている場合
- 新規設立法人
- 出入国在留管理局が指定する在籍管理優良校ではない場合
比較的早期に結果が出るケース
下記の場合は、優先審査される傾向にあります。
- 本人が国費留学生の場合
- 文部科学省のスーパーグローバル大学創生支援事業で補助金交付を受けている大学出身の場合(東大、京大、東工大、早稲田、慶応、北海道大、東北大、筑波大、九州大、名古屋大、広島大)
- 当該申請が日本国にとって国益があると判断できる場合(本国での研究実績等)
- 政府機関(議員等)からの強い推薦がある場合、その他、審査上配慮されうる推薦状がある場合
<留学ビザ 優先審査される傾向にあるケース>
- 出入国在留管理局が指定する在籍管理優良校
- 文部科学省のスーパーグローバル大学創生支援事業で補助金交付を受けている大学(東大、京大、東工大、早稲田、慶応、北海道大、東北大、筑波大、九州大、名古屋大、広島大)
- 留学生受入実績が累計1000人以上の大学、専門学校(現場感覚としては、適正な留学生受入実績と優先審査傾向は比例していると感じます。毎日数千件の審査を少人数の審査官で行っているため、そうせざるを得ない実情もあるようです)
在留資格の結果通知がなかなか来ない場合、どうすればよいか?
在留資格申請から2~3ヶ月経過しても結果が来ない場合、再度、申請内容を精査してみましょう。2~3ヶ月も結果が出ないということは、ほぼ間違いなく慎重審査になっています。つまり、審査官も相当悩んでいます。稀に、放置されていることもありますが、ほとんどの場合、許可にするか不許可にするかの判断が非常に難しい案件だと思われます。
自社で申請した場合、申請した出入国在留管理局に行って、直接審査官と話してみると、ヒントをもらえる可能性があります。あくまで可能性ですが、何もしないで待つよりは精神衛生上、良いかもしれません。また、専門家(行政書士)に相談してみると、対策が見つかるかもしれません。相当な件数をこなしている事務所であれば、申請書類一式を見れば、何が原因か判断できると思います。当事務所でも、有料ですが、こういった相談に対応しております。下記からお申込みください。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一