【インタビュー】茨城県でビザ申請を専門に扱う行政書士として

本日は、茨城県でビザ申請を専門に行政書士事務所を運営されている濵川(はまかわ)行政書士に、これまでの経緯や茨城県での活動について話をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

濵川よろしくお願いいたします。

さっそくですが、はじめに行政書士として開業してから現在までの経緯を教えていただけますか。

濵川私は、2009年4月に東京都江戸川区の自宅で開業しました。その後、東京都千代田区(秋葉原)に事務所を移転し、2020年4月まで、東京の中心部で事務所を構えていました。

東京で行政書士事務所を運営されていた期間は10年以上あるのですね。その時期は、どのような業務に携わられていたのでしょうか。

濵川その間は上場企業から個人事業主まで、来るもの拒まずで、何でも受けていました。

信じられないようなお金持ち、芸術家、芸能界の方からの依頼もありました。私は絵が好きなので、画家さんから裏話を聞けるのは楽しかったです。今から思えば、東京にいなかったら経験できなかった案件も多いです。

そこから茨城県に事務所を移転されたわけですが、東京から茨城に移ったことで、仕事の内容ややり方に変化はありましたか?

濵川基本的には変わりません。ただ、在留資格申請業務をサポートさせていただいたお客様から、「在留資格が許可になって縁が切れるのも寂しいですね。他に業務やっていないのですか?」と言われることがあります。

東京時代にはあまりなかったことですので、こういう時、地方で専門特化するデメリットを感じます。

専門特化することにも、メリットとデメリットがあるということですね。

濵川ただ、茨城県には、各分野のスペシャリストがたくさんいます。特に、農地転用許可、相続、自動車関連に強い事務所は多いです。

これらの業務については、地元の事務所ならではの強みがあると思います。在留資格以外の分野については、それぞれの専門家をご紹介できる体制を整えています。

つくば駅周辺 写真提供:つくば市

いまお話しいただいた話題に関連しますが、茨城県に移転してきて想定外だったこと、東京とは違うなと感じられたことはありますか?

濵川東京の事務所に依頼されている会社が多いことです。茨城県への移転前、茨城県のお客様は、県内の行政書士事務所に依頼しているものとばかり思っていました。ですので、事務所の立地を選ぶとき、なるべく同業の事務所から離れた場所を選びました。

でも、移転してみると、県内のお客様からは、これまでは東京の事務所に依頼していたと言われることがよくあります。これは、なんとかしたいですね。

地方の行政書士さんほど「Webから反応は無い」と考えてられていて、その隙を突くかたちで都市部の事務所が遠方から仕事に結びつけている構図はあるようです。

濵川そうなんですね。でも茨城県内にも経験豊富で地元のニーズに決め細かく対応されている行政書士がたくさんいるので、県内の事務所にぜひ相談してほしいと思います。

私の印象ですが、茨城県には、親切な行政書士が多いように感じています。業務以外のことでもできる範囲で対応されていたり、年中無休で対応されていたり。この点も、地元密着の事務所だからこその強みだなと思います。

東京や大阪など、都市圏であるほど案件を定型的に処理していく必要性が強まり、そのぶんお客さま一人一人に対する親身な対応というのはどうしても後退してしまう面はあるのかもしれませんね。

濵川ただ、情報収集という点では、東京にはかなわないなと感じています。勿論、インターネットであらゆる情報にアクセスできますが、ネットで得られない情報もあります。また、それがネットに載っているという気づきというか、情報感度も、東京のほうが高いかなと感じます。

人が多く集まるぶん、それだけ様々な案件もまた多く集まっているのが東京の特徴なのでしょうか。

濵川つくばワールド行政書士事務所が専門とする在留資格手続きは、常に最新の法制度や運用を把握しておく必要があります。ですので、最低週に1回は、東京に行くようにしています。具体的には、東京都港区にある東京出入国在留管理局に行き、東京のお客様や同業者と会い、現場の最新情報を得ておくようにしています。

事務所をつくば市に設置されているので、東京へのアクセス利便性という面ではアドバンテージがありそうですね。

濵川毎週、つくばの田園風景から、都心のビル街に移動すると、人の歩くスピードや話すスピードが少し違うのですが、この気持ちの切り替えにも慣れてきました。ちなみに私は兵庫県出身なので、関西弁も話すのですが、最近は茨城弁もまじってきました。茨城弁は福島弁に似ていて、柔らかい響きなので好きですね。

つくば中央公園(エキスポセンター) 写真提供:つくば市

方言バイリンガル?ですね(笑)。ところで、茨城県に移転して良かったことはありますか?

濵川茨城県は魅力度ランキングが低い県ですが、県民としては、そんなことはないと思っています。海があり、山もあり、平地が広がっているので、空に開放感があります。冬の夕焼けはとても綺麗です。

そして、茨城県つくば市は、街並みがとても綺麗で、治安が良く、暮らしやすい街です。先ほど話に出たように東京からのアクセスも良く、つくばエクスプレスに乗れば、つくば駅から秋葉原駅まで45分です。確実に座れるのがうれしいですね。

確かに、電車で座れるか座れないかというのは、心理的な負担としても大きな違いがありますね。

濵川東京時代、通勤に60分かかっていたのですが、まず座れませんでした。

お仕事の面での違いはいかがでしょうか。

濵川仕事面では、お客様との距離が近くなったような気がしています。

東京時代は、毎日案件が入ってきたら、それを粛々と進めるということを繰り返していました。繁忙期は終電で疲れ切って帰ることも多かったです。そして、業務完了すれば、基本的には更新時期まで特に連絡はないという感じです。

ですが、茨城に移転してから、業務完了後もお客様から連絡があることが増えてきました。

業務完了後にも連絡をいただけるのは、行政書士として嬉しいですよね。差し支えない範囲で結構ですが、どんな電話がかかってくるのでしょうか?

濵川お客様を紹介いただくこともありますし、単なる世間話の時もあります。全然違う話で盛り上がって1時間くらい話し込んだ時もありました。東京時代、こんなことはなかったですね。

茨城県への移転を機に、事務所で受けられる案件の上限数を決めて、余裕をもって対応するようにしたので、今のところ心穏やかに仕事をしております。

最後になりますが、茨城県の行政書士としてお仕事をされるようになって、いま、どんな想いで業務に対応されているのでしょうか。

濵川茨城県内に住む優秀な外国人を在留資格や手続きの面からサポートしていきたいです。そして、茨城県に優秀な外国人が増えていくことで、茨城県がもっとグローバルに、もっと魅力ある県になってほしいなと思います。

また、外国人雇用に関しては、人材会社のサポートをしたいですね。私自身、前職では、人材紹介会社で働いておりましたので、机上の理論的なコンサルではなく、現場のニーズに即したサポートをしたいと思っています。

コロナ禍も含め、日本に訪れる外国人の方、日本で生活される外国人の方の環境も変わっていきそうです。

濵川在留資格制度は、現場のニーズに即した形で、どんどん変化しています。

常に最新の法制度や情報にキャッチアップし、茨城県に住む外国人が安心して暮らせるようなサポートを続けていきたいと思っています。

本日はお忙しい中、お話をお聞かせいただきありがとうございました。

濵川こちらこそ、ありがとうございました。

 

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