2026年版|技人国ビザ申請の変更点まとめと実務対応ポイント

近年、「技術・人文知識・国際業務」(技人国ビザ)の審査は、形式審査から実質審査へと大きくシフトしています。2025年から2026年にかけては、特に「職務内容」と「派遣形態での就労」が厳しく見られる傾向が顕著です。本記事では、最新の変更点と、それに対する実務上の対応策を整理します。

技人国ビザ申請の最新動向とは

2025年から、コロナの本格収束に伴い、外国人雇用数が急増しました。そして、不法就労やそれに近い外国人雇用も増えています。特に、技人国ビザについては、本来、大卒相当の高度な業務にのみ許可されるビザですが、実態として単純作業や現業労働に従事しているケースが散見されるようになっています。

こうした状況に伴い、出入国在留管理局は、単なる申請書類の整合性だけでなく、「本当に専門性のある業務か」「申請書類の内容に信憑性や根拠があるのか」といった観点で審査するようになっています。結果として、従来通っていた案件でも不許可となるケースが増えています。

変更点①:職務内容の審査がより厳格に

2026年1月に、出入国在留管理庁から、技人国ビザと特定技能ビザの違いに関する公式見解が発表されました。これまで、こうした基準は公開されておらず、あくまで事案ごとに審査官の裁量で決めるという運用だったのですが、明確な基準が示されました。この基準では、いわゆる「単純労働」や「現業労働」が技人国ビザには該当しないということが明示されています。例えば、製造業で技人国に該当する仕事とは、設計、プログラミング、技術開発などとなります。そして、製造工程に係る業務、工程管理や作業員の指導等の業務は特定技能2号に該当します。

ただ、この基準でも、あいまいな部分は残ります。例えば、工学の専門知識を必要とする機械オペレーターです。機械オペレーターといっても、部品をセットしてスタートボタンを押すだけ、そして定期的に部品洗浄や部品交換するといった業務であれば、特定技能に該当するのでしょうが、それ以上に高度な業務であることの根拠があれば技人国ビザに該当する余地は残されています。

事実、半導体製造装置のオペレーター、自動化製造ラインのオペレーター等においては、2026年1月以降も技人国ビザが許可されています。今後、もっと厳しくなる可能性もありますが、技人国ビザの制度目的である、「高度な専門知識を要する仕事に従事する」ということを明確に説明し、その根拠も示すことができれば、技人国ビザの該当性が認められます。

変更点②:日本語能力要件が追加

2026.4.15分の申請から、カテゴリ3・4の企業での技人国ビザ申請については、対人業務(フロント、通訳、労務管理等)に従事する場合、日本語能力試験N2以上の合格書が必要となります。

ただし、例外もあります。

  • 日本に20年以上、正規のビザで滞在している
  • 日本の大学、専門学校を卒業している
  • 日本の中学および高校を卒業している(家族滞在、定住者、特定活動からの技人国変更)

対人業務であるか微妙な場合、もしくは業務上N2が必須ではないことを合理的に説明した文書が必要となります。
たとえば、免税店に勤務する場合、対人業務ではありますが、日本語をほとんど使用しないこともよくあります。こうした場合、以下のような説明書を付けて申請しましょう。

<免税店において外国語を用いた営業、販売>
申請人は、海外の大学を卒業しているため、主として対人業務に従事するのであれば、
日本語能力試験N2以上が必要ですが、申請人の主たる業務は下記となります。
申請人は、免税店において、外国語を用いた顧客対応、商品説明、税関書類の作成等に
従事します。商品説明書やその他文書も、外国語で記載されております。日本人顧客の対
応については、主として日本人社員が対応しますので、申請人が業務で日本語を使用する
機会や必要性は非常に少ないです。
社内会議や社内資料も外国語です。
日本語を使用した業務割合は●%です。

変更点③:派遣形態での技人国ビザ申請書類が大幅に増加

2026年3月から、派遣形態での技人国ビザ申請の提出書類が大幅に増えました。追加になった書類は、派遣元・派遣先の誓約書、労働条件通知書、労働者派遣個別契約書、そして管理台帳、就業状況報告書です。

これらの書類を提出する際の注意点についてポイントを説明します。まず、職務内容の文言を統一しておきましょう。例えば、労働条件通知書と管理台帳に書かれている職務内容が異なっていると、実際に従事している仕事内容について、厳しく審査されます。

また、派遣契約期間が短い場合も、補足説明をつけたほうがよいでしょう。派遣形態では、3ヶ月毎の期間更新ということがよくありますが、このままでは、雇用の継続性という観点で厳しく審査されます。ですので、他の派遣社員の更新の実績などを説明することで、3ヶ月限定の就労ではないことを補足しておきます。また、派遣元企業の無期雇用社員である場合、そのことも別紙にて記載したほうがよいでしょう。

他の問題としては、誓約書を提出できないというケースもあるようです。

ただ、本誓約書を提出できない場合、当局から、その理由を確認される場合もあります。また、在留資格の審査がより厳しくなり、他の外国人社員(派遣以外の外国人社員)への影響も考えられます。この誓約書は、企業として適正な外国人雇用をしていること、適正な外国人雇用のためにコンプライアンスを守っていくということの確認書です。ですから、提出しないリスクのほうが大きいといえます。

 


 

 

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