外国人採用の新たな候補!東ティモール人材の可能性

インドネシアの東、赤道付近にある東ティモール民主共和国。日本ではなじみの薄い国ですが、育成就労に関する二国間の協力覚書を締結している国の1つであり、外国人雇用において大きな可能性を秘めています。本稿では、同国の可能性の魅力についてフォーカスします。

取材協力

在東京東ティモール大使館

育成就労に関する協力覚書が締結

2026年10月13日、日本と東ティモールは育成就労制度に関する協力覚書(MOC)を締結しました。この覚書では、日本と東ティモールの政府が連携し、育成就労外国人の適正な送出し・受入れや保護を図ることを明記されています。同国では、これまでも技能実習生を日本に送りだしていますが、育成就労制度に移行しても引き続き、日本への送り出しが続く見込みです。東ティモールの基礎知識

ここで、改めて東ティモールについて簡単に紹介します。東ティモールは、インドネシアとオーストラリアの間に位置する人口約142万人の国です。首都はディリ。公用語はテトゥン語とポルトガル語で、インドネシア語や英語も使われています。多くの東ティモール人が2ヵ国語以上を話すため、第三言語となる日本語の伸びしろも高いと思われます。

宗教は国民の約99%がキリスト教徒です。厳格な教徒は多くないため、食事やお祈りに関する配慮は少ないでしょう。

雇用環境に関しては、大卒初任給が日本円換算で2~3万円と言われています。海外に出る若者も多く、日本で技能実習生として働いている人もいます。

首都にある大学に日本語学部が誕生

東ティモールでは、若者の教育機会の拡充と、海外で活躍できる人材の育成が重要な課題となっています。こうした中、首都ディリにあるUNPAZ(Universidade da Paz)では、2026年10月に教育学部内に日本語学科を開設しました。日本語学科では、日本語を初めて学ぶ学生を対象に、2年間で日本語能力試験(JLPT)N2レベルの習得を目指します。単なる語学教育ではなく、日本文化、生活習慣、職場での礼儀、時間管理、報告・連絡・相談、チームワークなど、日本企業で働くために必要な知識も学ぶ点が特徴です。

さらに大きな特徴は、日本でのインターンシップを教育課程に組み込む構想です。2年間の学習期間中に最大2回、合計約1年間、日本企業などで実務経験を積むことを目指しています。UNPAZで日本語を学び、日本で実際に働く経験を得て、その経験を再び東ティモールでの学習に生かすという教育モデルです。

卒業後は、日本企業への就職も視野に入れ、FESCA(一般社団法人外国人就職支援センター)が企業との連携、就職先の紹介、面接、在留資格申請などを支援する計画です。日本語能力、日本文化への理解、日本企業での実務経験を兼ね備えた人材を育成し、日本と東ティモールを結ぶ新たな人材交流のモデルを目指しています。

東ティモールの技能実習生の活躍ぶり

東ティモールの技能実習生は、送り出し開始当初は高知県が多く、最近は広島や農業分野での茨城県等で大きく増加しています。職種としては、農業、建設、ホテル(清掃等)と造船に係る溶接・塗装などとなっています。

彼らが、なぜ日本を選んでくれたのか、大使館の担当部署に聞いてみたところ、下記の回答でした。「数の上ではオーストラリアや韓国で働く東ティモール人がたくさんいます。その中で日本を選んだ人たちは、技術スキルを習得したい、実務経験を積み、日本語や職場文化を学びたいと考え、また家族を養うための収入を得たいと日本を選んでいます。彼らは、日本を自分たちの専門的能力や能力を開発する機会として捉えており、将来の東ティモールの発展に役立つ知識を得ることにつながっていると考えています。」

また、雇用主からの評判については、「東ティモールの労働者は、献身的であるとか責任感があるとか、チームワークがいい、学習意欲があるといった肯定的な評判を築く機会があります。もちろん全員がそうであるとは言えませんが、そのように言っていただけるよう、東ティモールを出国する前の研修で日本人による指導の機会を設けて理解するように指導を行っています。ガツガツと働くという印象はあまり強くないけれど、人懐こくて、穏やかであるという評価をいただくこともあります。」との回答をいただきました。

東ティモール人を雇用する際の留意点

多くの日本人が東ティモールの職場文化や生活習慣を知らないのと同じように、東ティモール人も、日本のことを正確に知っているわけではありません。ベトナム人や中国人などであれば、日本で働いている人の数がかなり多く、SNS等で日本での仕事についての実情を知っていることが多いです。しかし、東ティモール人の場合、そうではありません。

東ティモール人を採用することになった場合、日本の職場文化や生活習慣をより丁寧に説明することが重要です。特に、時間厳守、報告・連絡・相談、仕事の優先順位、上司への相談方法などは、入社時に具体的に伝えておくとよいでしょう。

また、日本語能力については、採用時の会話力だけで判断せず、実際の業務で必要となる日本語を確認することが大切です。東ティモールでは複数の言語を使う環境があるため、語学学習への適応力が期待される一方、日本語の習得には継続的な支援が必要です。

さらに、給与、労働時間、休日、残業、住居費などの労働条件については、母国との賃金水準の違いも踏まえ、採用前に分かりやすく説明する必要があります。日本での生活に慣れるまで、職場だけでなく住居、買い物ど生活面もサポートすることで、長期的な定着につながります。

 

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