2027年から始まる育成就労制度は、技能実習制度の国際貢献という建前が撤廃され、人材の確保はしやすくなりそうですが、よくわからないまま受け入れると失敗しやすい制度です。本稿では、受入の流れをおさらいするとともに、よくあるトラブル事例と回避方法を解説します。
受入可能かどうかの確認、受入方針の決定
外国人材を育成就労制度で日本に呼び寄せて雇用する場合、図のような流れとなります。重要なところだけ補足説明しますね。
育成就労人材を採用しようと思ったとき、まず、自社で受入可能かどうか確認しましょう。受入に関する大きな要件は下記の3つです。
- 育成就労制度の対象業種であるか?
- 直近5年以内に労働法や入管法に関する法令違反、行政処分がないか?
- 育成就労人材の指導体制を整備できるか?
その他、細かい要件もありますが、この3つをクリアしていれば、だいたいOKの場合が多いですね。
そして、受入方針についてですが、最低限、下記を決めておきましょう。人数や国籍に関しては、管理支援機関(旧監理団体)の話を聞いてからでも構いませんが、自社である程度の方向性は決めておいたほうがよいです。また、地域や業種によっては、向いている国というのがありますので、そのあたりも考慮しましょう。
- 配属部署
- 受入人数
- 育成就労人材の国籍
- 育成就労期間(3年)終了後の方針(帰国/特定技能へのステップアップ)
監理支援機関(監理団体)の選び方
育成就労人材を受け入れるためには、原則、監理支援機関(旧監理団体)を通す必要があります。現時点では、監理支援機関の認定を受けている機関がまだ少ないため、監理団体の選び方についてお伝えします。
現時点で、監理団体は、全国で約3000社あります。その多くは、事業協同組合という法人組織です。約3000もの監理団体の中から、自社にあった監理団体を選ぶのは、結構大変です。監理団体によって、得意とする国、業種、地域が異なります。また、その運営方針やコンプライアンスに対する考え方も玉石混交です。
たとえば、監理団体との打合せの際、以下のような質問をしてみてください。その回答によって、監理団体を選定する際の判断材料になるかもしれません。その場で明確な回答を得られる場合、あいまいに濁される場合など、対応は様々です。
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現地送出機関の規模や考え方は玉石混合
現地送出機関は、海外現地で人材募集や日本語教育などを行う会社のことです。東京ドームくらいの敷地内に全寮制のトレーニングセンターを持つ送出機関もあれば、雑居ビルの一室で運営している送出機関もあります。
私は、中国、ベトナム、ミャンマーの送出機関を訪問したことがあるのですが、その規模や運営体制の違いにかなり驚きました。ちなみに、雑居ビルの一室で運営していた送出機関のホームページはとても立派でした。ホームページには、広大な敷地、先進的な建物が載っていたのですが、それらは全て提携会社の画像であったということもありました。
ですから、送出機関についても、監理団体に完全お任せするのではなく、できれば自社でもある程度調べておくことをお勧めします。
技能実習の現場で起こっている問題
技能実習の現場では以下の問題が頻発しています。こうした問題は育成就労制度に移行しても、当然起こりうるものです。
- 面接後に辞退される
- 技能実習計画が通らない
- 入国後すぐ離職
- 入国後、失踪
- 技能実習機構、労働局等からの指導、行政処分
問題が起こる原因は何か?
こうした問題が起きる原因はある程度、はっきりしています。
原因①:監理団体任せ
技能実習生の受入、雇用管理については、全て監理団体に任せていれば大丈夫と考えている企業様が多いです。監理団体の営業担当者も、「全てお任せください」といったニュアンスで話されることも多いようです。
しかし実際は、受入企業側の責任やリスクは非常に大きいです。
原因②:人手不足なので安易に採用
乱暴な言い方をすると、対象業種の企業で法令違反がなければ、お金さえ払えば、受け入れることができます。たとえば、来年10人ほしい場合、その要望を監理団体に伝えれば、大抵10人確保してくれます。監理団体によっては、1週間ほどで、20~30名の候補者を探し、面接(オンライン面接等)まで実施してくれる場合もあります。しかし、技能実習を受け入れると、責任とリスクを伴います。その責任とリスクをきちんと説明してくれる監理団体を選ぶことが非常に重要です。


