短期滞在ビザの取り方を行政書士が徹底解説

短期滞在ビザとは、短期間(最大90日間)、日本に滞在できるビザのことです。短期滞在ビザは幾つか種類があり、滞在目的によって申請方法や申請書類が異なっています。許可される日数としては、15日、30日、60日、90日があります。

観光目的(観光ビザ)

通常、来日したい人が住んでいる国の旅行会社等に依頼して取得します。例えば中国人であれば、中国にある旅行会社で手配してくれます。手続き自体は比較的簡単ですが、保証金が必要であったり、日本滞在日数が限られている(通常、観光ビザは15日間)などの制限があります。ただし、ご本人の資産状況によっては、数次ビザ(有効期間3年間、1回の滞在日数30日)が発給される場合もあります。観光ビザに関しては、全て本国での手続きとなりますので、本国の旅行会社等でご相談ください。

親族知人訪問目的(親族訪問ビザ)

日本に住む親族や知人(日本人でも外国人でも可)を訪問するためのビザです。その親族や知人との関係性や滞在目的によっては、最大90日(※下記の7ヵ国については、最大180日)の滞在も可能です。最大90日のビザが許可されやすいケースとしては、一親等の親族訪問(親が子に会いにくるなど)、日本に住む親族の出産前後における手伝い目的などがあります。

※イギリス、ドイツ、スイス、リヒテンシュタイン、アイルランド、オーストリア、メキシコ

商用目的(短期商用ビザ)

例えば、日本での会議出席や商談、工場視察、展示会訪問、学会参加、インターン、面接、技術指導などの目的で、短期間だけ日本に滞在したい場合に、このビザを申請します。滞在日数は、最大90日となります。ただし、下記の7ヵ国については、最大180日の滞在も可能です。いきなり180日のビザが許可されるわけではなく、最寄の出入国在留管理局にて、90日のビザを更新する手続きが必要です。

※イギリス、ドイツ、スイス、リヒテンシュタイン、アイルランド、オーストリア、メキシコ

短期商用ビザでは、原則として、収入を得る活動を行うことはできません。例えば、出張で日本に来る場合、来日中の当該外国人の給料は、外国の企業が支払う必要があります。

短期滞在ビザで行ってもよいこと・ダメなこと

短期滞在ビザを申請するとき、滞在中何をするのかを具体的に書く必要があります。このとき、間違った書き方をすると、本来許可されるケースであっても許可されないことがあります。特に、業界で普通に用いられている言葉をそのまま書いた場合、誤解を受けることが多いようです。

短期滞在ビザの申請書類を用意する際には、法律で許された活動かどうかを細かく吟味しながら、書類を作成していきます。一度、短期滞在ビザを取得できた場合、二度目からは比較的簡単に許可されることが多いですので、最初だけは専門事務所に依頼されることをお勧めしております。

短期滞在ビザで行ってもよいことの具体例は下記です。

  • 観光目的の場合→観光
  • 親族知人訪問目的の場合→親族知人訪問
  • 短期商用目的の場合→見学、視察、教育機関、企業等の行う講習、説明会等への参加、報酬を受けないで行う講義、講演等、会議その他会合への参加、技術指導、取引先との商談、契約調印、報酬が発生しないアフターサービス、宣伝、市場調査など

短期滞在ビザで行ってはいけないことは、報酬を得ることです。たとえ少額であっても、それが報酬として支払われるのあれば違法となります。ただし、単発の講演の謝礼や、滞在中の交通費、食事代などは、それが常識的な価格でしたら、報酬とはみなされませんので、支払っていただいても大丈夫です。

短期滞在ビザ(短期商用ビザ)の取り方

短期商用ビザは、他の就労ビザと比較しても簡単にとれるものではないです。取得するためにはノウハウが必要です。

学歴要件や実務経験要件がない分、不法就労の要因となりやすく、一時期社会問題となったため、非常に厳しく審査されます。当局から指定された書類だけを用意して提出したとしても、説明不十分として不許可になることがよくあります。しかも、他のビザ(就労ビザなど)と異なり、不許可になっても、その原因を教えてもらえません。そして、1度不許可になった場合、6ヶ月以上経過しないと再申請できないというリスクもあります。特に、下記のケースでは、必須書類以外に用意すべき書類が多数ありますので、プロによるサポートを受けたほうが安心です。

  • 招聘する日本の会社の社歴が浅い(目安として設立5年以内)
  • 招聘する日本の会社が製造業、宿泊業、飲食業など現業労働がある業種である。(現業従事でないかとの疑義を完璧に払しょくする必要あり)
  • 招聘する日本の会社のウェブサイトがない。あるいは情報が少ない
  • 招聘する日本の会社と相手国会社の資本関係がない(商談、視察などの場合)
  • 過去に短期ビザを申請して不許可になったことがある

短期商用ビザ 申請の流れ

  1. 短期滞在ビザに必要な書類を集める(当該外国人の本国&日本)。必要書類は、当該外国人の国籍や招聘する日本の会社の状況等によって異なります。
  2. 招聘経緯書、招聘理由書、滞在計画、関連資料などを作成します。
  3. 1と2の書類を当該外国人の本国に送ります。
  4. 当該外国人の本国の日本大使館(日本領事館)で申請します。
  5. 国によって異なりますが、概ね1週間程度で結果が出ます。

短期商用ビザの期間はどのように決まるのか?

短期商用ビザを申請する際に、「招聘理由書」や「滞在予定表」という書類を提出するのですが、在留期間はこれらの書類に基づいて決定されます。ですから、滞在予定表は余裕をもって長めにスケジュールを組んでおくほうがよいでしょう。

予定には休養日を入れてもかまいません。ただし、滞在目的からみてあまりにも期間が長い場合、申請どおりの在留期間が認定されないことがあります。希望滞在日数を認定してもらうためには、日本での訪問先や面談相手 などを具体的に記載し、信憑性をもたせることが大切です。

短期商用ビザの取得が難しいケース

以下のようなケースでは、短期商用ビザの取得が難しくなります。タイミングをずらすか、問題が解決してから申請したほうがよい場合があります。

  • 直近5年以内に、貴社の実習生が失踪している。問題を起こしている。
  • 短期商用ビザの申請中に当該国と日本との関係が極端に悪化
  • 申請中に在日外国人(特に当該国の外国人)の犯罪が急増(ニュースになる程度の急増)

短期商用ビザの更新について

短期商用ビザを更新したい場合、その方の国籍によって扱いが異なります。まず、下記の7ヵ国の方については、更新できる可能性が高いです。

イギリス、ドイツ、スイス、リヒテンシュタイン、アイルランド、オーストリア、メキシコ

更新に必要な書類としては、下記です。状況によって追加書類が発生する場合もございます。

  • 本人のパスポート(原本)
  • 在留資格更新申請書(短期滞在用)
  • 滞在費支弁能力を証明できるもの(預金残高証明書など)
  • 更新を希望する正当性を説明した書類
  • 帰国便の航空券

上記以外の国籍の方については、個別審査となります。短期商用ビザというのは、もともと更新することを想定していないため、その更新は難易度が高く、更新することの該当性、相当性が求められます。単純に、研修期間が延びたためという理由だけでは不許可になる可能性が高いです。個々のケースで必要書類や説明書の書き方が異なります。詳しくは当事務所までご相談いただければ幸いです。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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