専門行政書士が解説!販売職で外国人を採用した場合、就労ビザを取得できますか?

販売職で外国人の就労ビザを申請する時のポイント

このケースは、就業場所(店舗等)の状況、顧客属性、販売の形態等によって、就労ビザ取得の可否が決まります。空港内にある免税店など明らかに外国人客の割合が高く、販売というより通訳翻訳の要素が強い仕事であれば、就労ビザ(技人国ビザ)を取得できる可能性が高いです。

※技人国ビザとは、技術・人文知識・国際業務ビザのことです。

また、店舗が銀座や秋葉原、浅草など、外国人が多く訪れる場所にある場合も、就労ビザ取得の可能性があります。

この他、お客様の要望を詳しくヒアリングしながら、お客様にあった商品を提案するという仕事、つまり販売というよりも営業に近い仕事、お客様ごとに提案書を作成するような仕事であれば、就労ビザ取得の可能性があります。例えば、化粧品メーカー直営の販売店で、一人ひとりのお客様に対して専門的な知識をもって商品説明、提案をするような仕事の場合、就労ビザが許可されています。

販売職での就労ビザ 許可事例

当事務所でサポートさせていただいた代表的な事例を紹介します。

空港内免税店

国際空港の免税店で、外国人客への通訳や免税書類の作成を担当する外国人を採用した際の就労ビザ申請です。

外国人客数の根拠書類については不要だと判断し、提出しませんでした。実際に作成する免税書類のサンプルを提出し、翻訳的な要素もあることを説明しました。

高級ブランド時計専門店

このお店では、POSで顧客の属性データを取っていました。最近のPOSは、年代や性別だけでなく、外国人客か否かも入力できるようです。就労ビザ申請時には、国別外国人来店数のデータに加え、取扱説明書の翻訳サンプルも提出しました。海外時計メーカーの中には、英語の取扱説明書しか用意がない場合もあるため、重要部分の翻訳なども任せたいとのことでした。

化粧品メーカー直営の販売店

このメーカーでは、海外でも知名度があり、日本国内のお店に富裕層の外国人が多く来店されていました。外国人客の数を正確なデータで立証できたため、スムーズに就労ビザが許可されました。

自動車のディーラー

毎年、新卒採用の時期に、国産車および輸入車のディーラー様から就労ビザ手続きの依頼をいただいております。最近では、ビジネス系専門学校卒業の外国人を採用された際の就労ビザ手続きを依頼いただくことが多いです。ビジネス系専門学校の場合、学校で学んだことと仕事内容に関する関連性を説明、立証することに苦労します。ただ、自動車ディーラー様の場合、会社の安定性、継続性は問題ないことが多いです。当該外国人を販売職(営業職)として採用するということを、プロのサポートを受けながら明確に説明、立証できれば許可になる可能性が高いです。

大手電器量販店

英語、中国語、韓国語、ベトナム語でのPOPが多数あり、多言語での商品案内パンフレット(簡易版)が用意されていました。外国人来店数は多かったのですが、日本人との割合でいえば低かったため、就労ビザ審査時に、日本人への接客販売についての追加説明を求められました。この時は、月平均来客数(外国人及び日本人)と販売員のシフトを提出し、外国人社員(就労ビザを申請する外国人)が外国人客を担当する必要性、また既存外国人社員もそうしていることを説明し、無事許可となりました。

外国人顧客が多い携帯ショップ(スマホ契約販売代理店)

携帯ショップ(スマートフォン等の契約販売代理店)では、販売前の商品説明だけでなく、契約時の手続きに30分~1時間かかります。外国人のお客様であれば、基本的にその言語で説明することになります。就労ビザ申請時には、契約時に説明する書類、重要点の翻訳サンプルなどを提出しました。

 

就労ビザ申請時の職務内容説明の書き方

例えば、就労ビザの申請書類の職務内容蘭に、「携帯ショップでの販売職」とだけ書くと、不許可になる可能性が高いです。審査官は毎日膨大な件数を処理しており、いちいち、この業態のお店での販売職は、どんな仕事なんだろうと想像を働かせてはくれません。あくまで提出された資料だけで判断します。

どんな仕事なのか、それが技人国ビザに該当する仕事なのか、そのための証拠は何を用意すればよいのか。こうしたことは、申請する側が考えなければいけないことになっています。

販売系の就労ビザは、同業態、同程度の規模であっても、就労ビザが許可される場合と許可されない場合があります。当事務所の経験上、その差はわずかです。申請書類のわずかな不足、不備が結果に影響します。

 

販売職で外国人の就労ビザ申請する時の提出書類例

本人に関する書類

  • 証明写真(3ヶ月以内に撮影したもの 縦40×横30mm)
  • パスポート(原本)
  • 在留カード(原本)
  • 履歴書(市販の書式でOK。最終学歴から現在までの経歴を記載)
  • 最終学歴(大学等)の卒業証明書(学位証明書でも可)
  • 日本語資格がある場合 ⇒ 日本語能力試験の合格証
  • その他、職務上活用できる資格証、実務経験を証明できる書類など

雇用主に関する書類

  • 運営する法人の登記事項証明書
  • 決算書類
  • 直近年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
  • 会社案内
  • 多言語サイトがある場合、そのサイトの主要ページのコピー
  • 外国語で表記された商品案内
  • 外国人の国籍別来店者数などの記録(POSデータ等)
  • 仕事内容に関する詳細説明書
  • 就業場所や仕事風景の写真
  • その他、状況に応じた書類

 


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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