企業内転勤ビザ 取得条件・必要書類

企業内転勤ビザとは

企業内転勤ビザとは、簡単に説明すると、日本企業の海外支社や海外関連会社の社員が日本本社に異動してくるときに与えられる就労ビザのことです。例えば、日本企業が出資している海外の企業から、その会社の社員を日本の本社で働かせる場合に、この企業内転勤ビザを申請することになります。また、子会社間同士の転勤も可能です。たとえば、韓国に本社(A)があり、Aには、台湾と中国と日本に子会社があるとします。

この場合、台湾の子会社の社員を、日本の子会社に呼び寄せ、企業内転勤ビザを取得することが可能です。

また、どういう会社が、親会社、子会社、関連会社に該当するかについては、「財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則」8条に、細かい規定があります。企業内転勤ビザを申請する際には、子会社、関連会社であることについての証明書類が必要となります。

はじめて企業内転勤ビザを申請される場合、非常に厳しく慎重な審査がありますので、はじめての場合は、個別にご相談ください。

企業内転勤ビザ 主な要件

企業内転勤ビザには、グループ企業間の転職のためのビザですから、本人の学歴に関する要件はありません。また、人数の制限もありません。

  1. 海外子会社、関連会社等において1年以上勤務していること
  2. 会社(日本での雇用先)の安定性や継続性に問題がないこと
  3. 仕事内容が単純作業、現業労働ではないこと
  4. 日本人社員と同等以上の給料を支払うこと
  5. 過去に不法滞在等がないこと
※2,3については、判断基準があります。判断基準は会社(法人)の規模、業種、設立年数などによって異なります。
 

企業内転勤ビザで認められる仕事内容

企業内転勤ビザに該当する仕事は、技術・人文知識・国際業務ビザに該当する仕事となります。具体的には、通訳翻訳、海外との取引業務、デザイナー、IT技術者等になります。ですから、現業労働(工場内での組立作業等)や接客などを主たる業務として行うことはできません。

企業内転勤ビザが、技術・人文知識・国際業務ビザと大きく異なる点は、学歴や実務経験がなくても、このビザを取得できるという点です。

企業内転勤ビザ 必要書類

本人に関する書類

  • 証明写真(3ヶ月以内に撮影したもの。40×30mm、2枚)
  • パスポートのコピー(顔写真ページ)
  • 現勤務先(海外)の在職証明書(勤務先の業務内容、地位、報酬を明示したもの)

会社(外国の会社)が用意する書類

  • 日本の会社との資本関係を証明する書類(出資者名簿、日本の会社との取引を証明できる書類。日本語訳も必要)
  • 会社案内(会社の事業概要、設立年、沿革、資本金、役員情報、主要取引先名を記載したもの)
  • 転勤命令書(現勤務先から発行されたもの)

会社(日本の会社)が用意する書類

  • 雇用契約書
  • 役員として呼ぶ場合 → 役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録
  • 定款のコピー
  • 登記事項証明書
  • 当該日本法人と外国法人との出資関係を明らかにする資料(株主名簿等)
  • 会社案内(会社の事業概要、設立年、沿革、資本金、役員情報、主要取引先名を記載したもの)
  • 直近年度 貸借対照表・損益計算書
  • 直近年度 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(税務署受付印のあるものの写し)

状況に応じて提出したほうがよい書類

  • 本人が大学卒業者の場合 → 大学の成績証明書
  • 保有している場合 → 本人の日本語能力を証明する書類(日本語能力試験JPLT N1~N3合格証明書など。但し、通訳担当者として招聘する場合、N3レベル以下だと審査上不利になる可能性あるため注意が必要)
  • 日本の会社が貿易事業を行っている場合 → JETROの会員証、通関関係書類、日本輸出入者標準コード登録通知書(財団法人日本貿易関係手続簡易化協会発行)など

日本の会社が新規設立会社である場合

  • 給与支払事務所等の開設届出書のコピー(税務署受付印あるもの)
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書のコピー(税務署受付印あるもの)
  • 事業所の建物賃貸借契約書のコピー(自社物件の場合は、建物登記事項証明書)
  • 事業計画書
  • 事業計画の立証書類(商品案内、販売代理店契約書など)

企業内転勤ビザ よくある質問

給与はどちらの会社から支給してもOKですか?

給与については、日本の会社が支給してもよいですし、海外の会社(もともとの雇用先)が支給しても構いません。また、両方が半分ずつ負担するということでも構いません。

ただし、企業内転勤ビザを更新する際には、本人の収入を証明する必要があります。収入証明という観点では、日本の会社から支給されていたほうが証明は簡単です。この場合、当然、所得税、住民税を会社が納付しているはずですので、市役所に行けば、課税所得証明書、納税証明書などの公的収入証明、公的納税証明が発行されるからです。

一方、海外の会社から給与が支給されている場合、ビザ更新の際の収入証明が少し煩雑になります。まず、本国の会社で発行された給与証明書、公的な納税証明書などを取得し、それらを日本語に翻訳します。また、本人が日本の居住者であるはずですから、日本の税法に従って日本の納税義務を果たす必要があります。

つまり、日本の居住者の場合、原則、全ての所得(全世界)に対して課税されます。二重課税にならないように、「外国税額控除」という制度もありますが、この計算は、複雑であるため、税理士にお願いしたほうがよいでしょう。

日本の会社との資本関係を証明する書類が用意できない場合、どうすればよいですか?

企業内転勤ビザの申請に際し、大きなハードルとなるのが、日本の会社との資本関係を証明する書類です。通常、出資者名簿だけでは、関係性の証明力が弱いとされています。ですから、会社設立経緯に関する説明書、日本の会社との取引に関する説明書、それらを証明できる書類なども必要です。

また、書類を用意できたとしても、全ての書類を日本語に翻訳する必要もあります。

ですから、もし、申請人(日本に呼び寄せる社員の方)が、大学を卒業している場合、企業内転勤ビザではなく、技術・人文知識・国際業務ビザを申請したほうが、審査が早い場合が多いです。

駐在員事務所で企業内転勤ビザを取得できますか?

駐在員事務所で外国人を雇用し、企業内転勤ビザを取ることは可能です。ただし、幾つか条件があります。
①日本国内に事務所があること(バーチャルオフィスは不可
②駐在員事務所の設置目的、駐在員(これからビザを取る人)の職務内容が明確であること

特に、②については、非常に厳格に審査されます。駐在員事務所の開設自体はそれほど難しくないたのですが、駐在員事務所で就労ビザを取得するためには、提出すべき書類が多数あります。また、適切な書き方をしないと許可される案件でも不許可になってしまいます。

なお、駐在員事務所では、営利活動を行うことができません。企業内転勤ビザを取得できた場合であっても、営利活動を行うことはできません。行ってもよい活動は、市場調査、広報宣伝、仕入、取引先との商談などです。

企業内転勤ビザ ご依頼の流れ

  1. 初回相談。ビザ取得可能性、必要書類、全体の流れなどを打合せさせていただきます。ZOOMでの相談も可能です。ここまでは無料です
  2. 当事務所→お客様 ご用意いただく書類リスト(ひな形含む)をお渡しします。書類リストの書類をご用意ください。
  3. 上記書類をもとに、当事務所で、在留資格申請書、事業内容説明書、会社関係説明書などの説明書類一式を作成します。
  4. 3の書類を確認いただき、会社印(代表印)の捺印をお願いします(当事務所職員が貴社に訪問、もしくは郵送でのやりとり)
  5. 当事務所が出入国在留管理局での申請代行、審査状況確認、受け取りまで代行します。

※お客様に行っていただくことは、①書類の用意、②説明書類の確認、捺印 となります。つまり、専門知識が必要な業務、各種説明書類の作成、行政庁への申請業務(往復の時間含めて半日~丸一日かかります)は、当事務所で行います。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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